掲載日 : [2019-08-15] 照会数 : 13052
「韓日友好の絆」絶やすな…中央団長光復第74周年慶祝辞
「韓日友好の絆」絶やすな…中央団長光復第74周年慶祝辞
中央団長 呂健二
親愛なる同胞の皆さん!
過酷な植民地支配から解放されて、74年目となる8月15日を迎えました。
民団は、大韓民国樹立に先立つ2年前の1946年から、民団の前身である建同・建青の共催で解放1周年記念式典を持って以来、毎年全国で8・15光復節記念式を開催してきました。
◆3.1独立運動から100年
今年は、3・1独立運動から100年目の年でもあります。わが民族が経てきた、この100年間の歴史を振り返るとともに、74年前の民族の解放の喜びと、解放を見ることなく犠牲になられた先人たちの思いを、あらためて今日この場において私たちは共に思い起こしたいと思います。
◆韓日関係は死活問題
日本に住む全国の同胞の皆さん!
韓日関係の成り行きに、胸を痛め、心配していることと思います。
このような状況のなかで、中央団長として、皆さんをどう励ませばよいのか、毎日悩む日々が続いています。
韓日関係は、私たちにとって死活問題です。韓日関係は空気のような存在で、普段は意識することもありません。そして意識しないことが良いことなのです。ところが、最近、息苦しくなっています。
両国の間には長い歴史があります。良い時も悪い時もありました。隣国だからこその歴史です。引っ越すことも、逃げることもできません。
私たちは、何があろうとも、私たち在日同胞の生活と権益を守っていかねばなりません。同時に、戦後、今日まで民団が地域でコツコツ積み上げてきた韓日友好の《きずな》を絶やしてはなりません。
親愛なる同胞の皆さん!
私たち在日同胞は、韓国と日本の平和の象徴です。在日同胞の存在は、両国の平和の上に成り立っています。韓国は産みの親であり、日本は育ての親です。両方の親が争ったからといって、どちらかに組みすることはできません。仲直りさせるために全力を尽くすしかありません。
こういう時こそ、私たちは民団の存在意義を発揮して、親善友好の増進に一層努力して参りましょう。
明けない夜はありません。
両国政府は大局的な見地に立ち、英知を結集して、相互利益と友好の維持・発展のため、一日も早い妥結をはかられるよう願ってやみません。
◆北韓は非核化実現を
親愛なる同胞の皆さん!
北韓は「完全な非核化のため努力する」ことを約束したにもかかわらず、非核化は遅々として進んでいません。私たちの願いは、北韓が早期の非核化を実現し、韓半島に恒久的な平和体制が構築されることです。同時に、北韓の人びとの人権と自由が尊重されなければなりません。
韓半島で、悲惨な戦争は二度と起こってはならないというのが私たちの強い思いであります。南北間、米朝間の対話と交流を通じて、あらゆる問題が平和裡に解決され、名実共に「平和の時代」が到来することを願ってやみません。
◆「北送」は人権問題
今年は、北韓と朝鮮総連が「地上の楽園」と宣伝し、9万3000人の同胞と日本人家族を北韓に送還した『北送』事業から60年を迎えます。
北送された同胞と日本人家族の問題は大きな「人権問題」です。民団は世論を喚起し、その安否確認と、家族の自由往来の実現をつよく求めていきます。
この『北送』事業に対し、朝鮮総連には全面的に責任があるにもかかわらず、60年たった今も、何ら人道的な対処を取っておりません。『北送』事業と関連の深い『脱北者』に対しても、朝鮮総連は責任をもって人道的な支援をすべきであります。
◆新たな民団のかたちを
親愛なる同胞の皆さん!
今年、民団は創団73年になります。貧困と苦難の中で私たちの諸先輩は、生活の安定と差別撤廃のために苦労し、努力してきました。私たちは今、先行きの不透明で混迷した時代の中にあります。こういう時こそ、在日同胞の生活と権益を守る民団組織は、なくてはならない存在です。
個人の力では限界があります。私たちは民団に結集し、民団を強化し、韓日親善と次世代育成に力を注ぎましょう。ヘイトスピーチを根絶させ、住民の権利として地方自治体の選挙権を獲得して行きましょう。また、同胞の家庭訪問活動を重ね、顔が見えるつながりを深め、緊急時や災害時にすぐに連絡が取りあえるネットワークを整備していきましょう。
日本籍同胞、新定住同胞たちと共に、時代に適応した新たな民団のかたちをつくっていくのが私たちの責務であります。
◆母国と日本社会に寄与
親愛なる同胞の皆さん!
本日、74周年を迎えた光復節を契機に、同胞の生活と韓日友好を守り、同胞社会と民団が益々発展し、母国と日本社会に寄与できる基盤をより確固なものにしていくことを皆様とともに誓いながら、記念辞に代えさせていただきます。
감사합니다.