光復節記念式典は中央式典のほかにも各地方本部が開催した。2部では各地とも記念講演、映画鑑賞、伝統音楽のステージ、豪華賞品の当たる抽選会など趣向を凝らしたアトラクションと企画で参加者を喜ばした。各団長は式典で民間レベルで韓日友好を下支えしていく決意を内外にアピールした。
北海道(李圭亮団長、15日=韓国文化会館)
式典を終えると、「平和の滝」(札幌市西区)の入り口横に建つ韓国人殉難者の慰霊碑に詣で、第2次大戦中に道内各地の炭鉱で強制労働に従事させられた同胞に思いをはせた。
青森(趙重憲団長、15日=青森市萱の茶屋公園)
会場は八甲田連峰の麓に広がる広々とした高原。式典を終えると「大運動会」に移り、子どもから大人まで年代別徒競走、風船運びリレー、スイカ割りを楽しんだ。最後に抽選で各種賞品が参加者に配られた。
宮城(金政郁団長、15日=同本部会館)
式典後、東北大学教育学研究科で文化人類学を専門とする李仁子准教授が「異郷に建てる墓ー在日1世と子孫たちをつなぐもの」と題して特別講演を行った。
神奈川(李順載団長、15日=横浜市関内ホール)
韓国のトロット歌手、オ・スングンと同じくボイスグループ「ラスペランザ」の公演が約1000人の集う会場を沸かせた。京畿道から派遣された文化人3人による民謡も好評だった。李団長は「私たちは韓日友好を基本に地域との連携を強固にし、よりよい社会を築いていく」と決意を表明した。
千葉(高炳佑団長、10日=九十九里海岸「海の家かねせん」)
台風10号の影響で波が高く、地引網を楽しみにクーラーボックス持参で臨んだ団員を悔しがらせた。しかし、第2部では市浦支部の金萬石議長と崔八重子婦人会長がコンビを組んだ「カクソリ」が会場を盛り上げた。お楽しみ抽選会には例年を上回る賞品が集まって団員を喜ばせた。民団東京・江戸川支部から「土曜学校」オリニが参加して歌と踊りを披露した。
栃木(崔龍治団長、9日=宇都宮市内のホテル)
式典後、ドキュメンタリー「北朝鮮への帰国事業」を鑑賞した。県日韓協から青木勲会長が参席した。
茨城(金桂一団長、12日=土浦市内のボウリング場)
家族同伴で支部対抗ボウリング大会を楽しんだ。大会には韓国に関心を寄せる日本人も多数参加し、記念式典を一緒に見守った。金団長は「どのような状況であっても、韓国と日本は仲良くしていかなければならない」と強調した。
西東京(全實団長、9日=同本部会館)
第2部祝宴で韓国演歌歌手の公演を楽しんだ。韓国食品の当たるお楽しみ抽選会もあった。全団長は「韓国と日本が仲良くしてこそ、北東アジアの平和と安定が訪れる」と述べた。
群馬(権在一団長、11日=前橋市内のホテル)
団員の便宜を図って祝日に開催。民団は初めてという参加者も見られた。民団創団70周年記念DVDを鑑賞し、くじ引きによる抽選会を楽しんだ。権団長は「新執行部のもと群馬民団の活性化に取り組む」と約束した。
静岡(李宜弘団長、10日=静岡市内のホテル)
式典で李団長が「韓日の平和と共生を願う」と強調。来賓の小長谷重之静岡市副市長は江戸時代の朝鮮通信使が市内の清見寺に残した扁額「瓊瑶世界」を取り上げ、「瓊と瑶の2つの美しい玉がお互いを照らし合い、さらに輝きを増して美しい世界が広がるという意味である。韓日関係の原点がまさにこの意味にあたるのではないか。その観点からこれからも多文化共生社会の実現に力を注いでいく」と述べた。懇親会で団員の金福姫さんがチャンゴ演奏、婦人会県本部はハン・ドルさんの名曲「ホルロアリラン」で会場を盛り上げた
新潟(鄭和仁団長、15日=同本部会館)
2部懇親会で新潟大学留学生、朴ソンヒョンさんがパンソリを披露した。鄭団長は「韓日関係の改善を願い、懸け橋としての役割を果たしていこう」と呼びかけた。
愛知(朴茂安団長、21日=同本部会館)
式典終了後、同本部奨学会(崔東佑委員長)の前半期奨学金が今年度の奨学生15人に手渡された。引き続き懇親会に移り、立食形式で親交を深めた。
大阪(呉龍浩団長、16日=大阪韓国人会館)
600人が参加。呉団長が「在日韓国人の誰もが民団を必要とし、民団にこぞった80、90年代の輝きを取り戻し、新定住者や日本国籍者同胞をも網羅した、時代にマッチした民団にしたい」と述べ、公約でもある「活力ある民団の再生」、「新しい民団の創造」という課題の実現を誓った。席上、東淀川、西淀川、東成の各支部を退任した前支団長に感謝牌を授与した。呉泰奎駐大阪総領事が大統領慶祝辞を代読、鄭炳采副団長が決議文を朗読し、満場の拍手で採択された。第2部はのど自慢大会や豪華賞品の当たる抽選会で盛り上がった。
兵庫(李圭燮団長、11日=神戸文化ホール)
第2部文化公演では次代を担うオリニ土曜学校の子どもたちが舞台で躍動。宝塚からはK‐POPダンス、神戸はプンムルを披露した。また、テノール歌唱のペ・チェチョルさんが「見上げてごらん夜の星を」「アリラン」など6曲を熱唱した。李団長は「市民レベルでの地道な活動を継続して両国関係の改善を見守っていきたい」とあいさつした。
京都(金政弘団長、17日=同本部会館)
金団長はあいさつで「韓日両国に横たわる問題が建設的に解決されるよう、民団が率先して草の根交流を進めていく」と決意を表明。併せて両国が対話を通じ建設的に問題の解決を図るよう求めた。京都府国際課の山田圭則課長、京都市総合企画局国際化推進室の山口ひかり室長がそれぞれ光復記念日を祝う府知事と市長のメッセージを読み上げた。
奈良(李勲団長、18日=同本部会館)
李団長が開式辞、中央団長慶祝辞は金賢成監察委員長が代読した。2部で予定していた講演会は台風の影響で中止になった。
広島(李英俊団長、10日=同本部会館)
李団長が「韓日間は冷たい時代だが、市民レベルで韓日交流を続けていく」とあらためて決意を表明。式典のなかで県韓国奨学会から大学生6人に奨学金の授与があった。第2部では同本部文化教室で講師を務める鄭愼二さんと大阪から招いた李綾子韓国伝統舞踊研究所による公演があった。
鳥取(黄龍也団長、10日=同本部会館)
式典後、薛幸夫常任顧問が祖国の解放独立を意味する光復節について略述。引き続き「戦争と広島」をテーマに描いた映画「この世界の片隅に」(こうの史代原作)を鑑賞した。会場には同胞ばかりか多くの日本人賛同者が詰めかけた。
島根(金吾男団長、15日=同本部会館)
金団長が中央団長の慶祝辞を代読、崔明美婦人会長が決議文を採択した。李燮潤顧問は「韓日関係が難しい時だからこそ、われわれ民間の役割が大事だ」とあいさつした。
佐賀(朴弘正団長、13日=県立生涯学習センター「アバンセ」)
農学博士(農業経済学)の李錦東氏が「大韓民国臨時政府樹立100年の歴史と未来」と題して特別講演を行った。団員のほか同民団でハングルを勉強している日本人受講生も多数参加した。李団長は、「講演会を通して『知る大事さ』と『知らせる努力』の在り方を考えたい」と話していた。
沖縄(金仁洙団長、15日=那覇市内のホテル)
第2部では韓国の歌と沖縄伝統音楽・ダンスが競演した。また、那覇-ソウルペア航空券が当たる抽選会(チェジュ航空協賛)もあった。
ある団員は「韓日関係で心配したけど、盛大に光復節記念式典ができてよかった」と感想を語った。金団長は「韓日関係がよくないときこそ民団の役割や民間レベルの交流が必要だと思う。下半期の交流事業も成功させたい」と意気込んだ。
愛媛(金鐘東団長、4日=松山市内のホテル)
金団長は式典で韓日関係の悪化を懸念し「地方でも打開策を検討したい」とあいさつ。2部は、懇親会を楽しんだ。(2019.08.28 民団新聞)