白菜など3種…行政も後押し
【茨城】地元の新鮮な素材を使った新商品「筑西きむち」が8日、JR下館駅前で開催された「しもだてアートフェスタ2012」会場で初めてお披露目された。完成したのは白菜ときゅうり、キャベツの3種類。市民有志で構成する地域活性化プロジェクト「ちっくタッグ」が行政の支援を受けながら3年近くをかけ、試行錯誤の末に開発した。市内の協賛店では同じキムチを使ったアレンジメニューの商品化も急いでいる。
アレンジメニューも開発中
筑西市には近隣の栃木県にある宇都宮餃子や佐野ラーメンのような目立った特産品がない。「ちっくタッグ」が「オンリーワン」をめざして目をつけたのが、地元で採れる新鮮な野菜だった。米価が下がるなか、付加価値をつけて野菜の消費量を上げるには、健康的で美容効果があり、日本の漬物のなかで最も食べられているキムチが最適だった。
決め手となるヤンニョムの味を決めるまでには約半年かけ、数十回の試作を重ねた。食品会社の社員も加わり、東京・新大久保のコリアタウンに赴いてキムチを食べ歩き、「どうしたらこの深い味を出せるのか」と研究を重ねてきた。発酵には地元酒造メーカーから出た大吟醸の酒粕を使い、梨を隠し味に使った。こうしてようやく、「万人向け、和テイストの無添加きむち」が完成した。
きむちは「しもだてアートフェア」会場にブースを設けて試食販売をした。試食した来場者はほぼ例外なく白菜、きゅうり、キャベツの3種類をまとめ買いしていた。味は辛さの異なる2種類があり、値段はいずれも200㌘350円と、この日だけの特別価格。正式価格は未定。
6月には市内の飲食店や加工業者などに賛同を呼びかけ、「筑西きむち協議会」を設立した。会員として認定された店だけが「筑西きむち」を売り出すことができる。
市内の中華料理店ではシューマイに筑西きむちを練り込んで売り出す。このほか、ぶたきむちお好み焼きや、ちくきむマーボ丼、リョウゴクマグロきむちバーガーなどのアレンジメニューも検討中。近いうち、おせんべいにも取り入れてもらうという。
筑西きむち協議会の勝田謙一事務局長は、「筑西市は茨城空港から約1時間。韓国からのツアー客の訪問にも期待したい」と話している。
(2012.10.12 民団新聞)