掲載日 : [2010-10-27] 照会数 : 6055
安重根義士殉国100周年 遺骸奉還の道探る
[ 主題発表と討論には日本人の有識者も参加した
]
韓国中央会館で国際シンポ 韓国国会議員
遺志「東洋平和論」を継承
安重根義士殉国100周年国際シンポジウム「『わが遺骸を故国の土に』‐それから100年」が24日、東京都港区南麻布の韓国中央会館で開かれた。韓国の李柱榮(ハンナラ党)・禹潤根(民主党)・朴宣映(自由先進党)国会議員の主催によるもので民団役員らを中心に約150人が参加した。
金情議員(未来希望連帯)が司会。李柱榮議員(国会予算決算特別委委員長)の開会辞に続き、黄祐呂議員(ハンナラ党)、権哲賢駐日大使、鄭進民団中央本部団長がそれぞれ祝辞を述べた。主題発表と指定討論は朴宣映議員の司会で行われた。
主題発表では申雲龍博士(安重根研究所責任研究員)が「安重根遺骸の調査・発掘現況と展望」、楠啓介映画監督が「安重根と伊藤博文‐私が安重根映画を作ろうとする理由」について、それぞれ説明した。
指定討論では、李恵薫議員(ハンナラ党)が「安重根義士遺骸奉還へ国民的世論を喚起し、官民合同の機構を創設して事前調査から再度始めよう」と呼びかけた。牧野英二法政大学教授(日本カント協会会長)は「日韓関係における安重根義士の遺骨調査の意義」について強調、安義士の「東洋平和論」とカントの平和論を比較・研究することが重要だと指摘した。
若林一平文教大学教授は「安重根は生きている=東アジア共同体の最初の市民として」と題して、安義士が獄中で検察官・看守らに求められ贈った揮毫を中心に説明。金才允議員(民主党)は、遺骸奉還および「東洋平和論」の継承・発展という二つの課題があると強調、韓日中3国間の協力体制の構築と「東洋平和論」具現のための国民運動の展開を主張した。
指定討論者は、「遺骸発掘事業は安義士の遺言の実現にとどまらず、東アジアに未来共同体を建設するうえで大きな意味を持つ」ということをあらためて確認した。禹潤根議員(国会法制司法委員長)は閉会辞で、「関係国による共同調査団の構成は遺骸発掘次元にとどまらず『東洋平和論』を深めていく意義がある」と強調した。
安義士の「東洋平和論」は、韓日中3国の常設機構である東洋平和会議体の構成、共同銀行の設立と共同貨幣の発行、共同平和軍の創設などを主張している。
(2010.10.27 民団新聞)