掲載日 : [2010-11-10] 照会数 : 9243
村おこしへ韓日コラボ 高原野菜でキムジャン
[ 男性参加者も目立つキムジャン(6日)
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韓食ネットが協力
【長野】長野県の東端、八ヶ岳のすそ野に広がる南佐久郡野辺山高原で6、7の両日、キムジャンフェステイバルが行われた。白菜やレタスなど、地元産高原野菜の消費拡大をめざす地元の熱意を受け、民団韓食ネットを代表して副会長の崔誠恩さん(51、東京・キムチ製造販売業)が協力した。地元では崔さんを監修者とする「キムチ研究所」をつくり、村おこしに結びつけていくと長期計画も同時に進めている。
会場となったのはオートキャンプ場の五光牧場(吉澤和光代表取締役、長野県南佐久郡川上村)。白菜は同牧場が提供し、ヤンニョン(薬味)は崔さんが東京から持参した。
崔さんが初めてこの地を訪れたのは4年前。白菜を試食したところ甘みが強く、韓国産に似て葉っぱが薄く、水分も少ないことがわかった。キムチを漬けるには最適と、試しにムルキムチを漬けたところ、思いのほか美味しく乳酸菌が発酵したという。硬質なわき水と寒暖の差が大きい気象条件が幸いしているようだ。崔さんは五光牧場の吉澤さんに、「ここでキムチをつくりましょう」と提案した。
吉澤さんが丹誠を込めた高原野菜でも、規格外となれば出荷できず、大量に廃棄処分してきた。崔さんの提案は渡りに船だった。白菜、レタス、山菜、キノコなど、さまざまな高原野菜を使って試験的にキムチを漬け、成功すれば地元の特産品にしようと、崔さんに監修を依頼。崔さんも「ムルキムチならば辛いものがだめな人でもOK。食べる食物繊維として、養老院や病院食に出しても需要があるはず」と計算している。
吉澤さんは「軌道に乗るまで5年かかるのか、10年かかるのかは分からないが、崔さんといろんなキムチを研究してみたい。30万円1口で出資を呼びかけたところすでに15、6人が応じてくれた。成功すれば、村おこしにもつながる」と期待している。
今年もキムジャンに慣れ親しんでもらおうと、昨年に続き10月から11月にかけて4回実施したが、反応はいい。東京や埼玉からも15〜20人単位でツアーを組んで参加している。参加者には自ら漬け込んだキムチが後ほど宅急便で届けられる。
崔さんは、「五光牧場をキムジャンのメッカにしていきたい。来年の年末には100人規模のキムジャンを実現したい」と張り切っている。
(2011.11.10 民団新聞)