掲載日 : [2010-11-17] 照会数 : 7709
<歴史資料館5周年シンポ>「新しい100年」創造へ
支配の実態直視を
「本質は暴力・差別・搾取」
在日韓人歴史資料館(東京都港区南麻布)の開設5周年を記念して「韓日歴史認識の違い」を主題としたシンポジウムが13日、東京の在日本韓国YMCAスペースホールで開かれた(写真)。民団中央本部主催による同シンポは、日本による「韓国併合」100年を機に、現時点での韓日の歴史認識の違いを見つめるとともに、今後の課題は何かを考えるもの。
鄭進団長は主催者あいさつで、「今なお残る歴史認識の葛藤に焦点をあて、『新たな韓日100年』を創造するための、当面の課題について、議論を深めてほしい」と期待を表明した。
李成市・早稲田大学文学学術院教授「古代日韓関係史にみる植民地史観とその克服」、姜徳相・歴史資料館館長「司馬遼太郎史観批判‐坂の下はどしゃぶりだった」、李泰鎮・国史編纂委員会委員長(ソウル大学名誉教授)「韓国併合条約強制の実像」、宮田節子・学習院大学東洋文化研究所客員研究員「植民地下朝鮮における徴兵制度」の主題発表を受けて、慎蒼宇・都留文科大学講師の司会で総合討論が行われた。
主題講演と総合討論では、支配される側の痛みを欠いた日本の歴史認識の在り方を批判し、植民地支配を正面からとらえ批判することの重要性を指摘。「植民地支配は人間の尊厳を無視したものであり、踏みにじられた側の心の痛みがわからねば、歴史の相互認識などできない」と、日本の韓日関係史研究への厳しい批判がなされた。
姜館長は「明治の45年はジェノサイドの歴史だった。さまざまな論議についた贅肉をそぎ取り、あえて単純化してみると残るものは何か。植民地化の本質は、暴力、差別、搾取だ」と強調した。
(2010.11.17 民団新聞)