掲載日 : [2010-12-01] 照会数 : 8165
韓・日・在日懸け橋フェスタに2000人 〞心の壁〟を超えてつながりから絆へ
[ 会場全体を巻き込んでの第2部セッション ]
シンポ、写真・絵画展、コリア屋台…
【神奈川】韓国と日本の青年世代を結ぶ「韓日在日懸け橋フェスタ」が11月21日、横浜市栄区のあーすプラザで開催された。心の壁を超えて「つながりから絆へ」を合い言葉に、青年会が事務局を担った。有識者によるシンポをメーンに、在日写真展、両国の子どもたちによる絵画展、韓日伝統茶会、映像上映などの企画で子どもから大人まで2000人以上が楽しんだ。
シンポジウムのテーマは「わたくしたちの共生時代」。1部は韓日の有識者が02年サッカーワールドカップ韓日大会に象徴されるような民族や国籍の壁を超えた親密な公共空間をどうしたら創造できるのかについて意見交換した。
韓国思想・文化を専門とする小倉紀蔵さん(人文社会学者)は「大事なのは差異」と述べ、安易な共同体幻想には否定的な考えを明らかにした。朴慶南さん(作家)も、「文化的多様性が大事。ありのままの他者を尊重しよう」と同調した。
計量社会学者の金明秀さんは、外国人に対するつくられた偏見が一人歩きしている現状に警鐘を鳴らした。一方、政治文化学者の李泳采さんは、韓日間で増え続ける人的文化的交流に期待感を示した。
コーディネーターの姜誠さんは最後に、「自分と違う人をどう認めるのか。対話を続けていくことでつながりから絆に変わる」とまとめた。これを受けて朴慶南さんは、「相手に対して優越感も劣等感も持たない。ありのままの民族性が保障される社会であってほしい。心の壁を取り払おう」と呼びかけると、会場から拍手が起きた。
第2部のセッションでは会場の韓国、在日、日本の若者たちが「もっと近づくためにはどうしたらいいのか」をテーマに意見を交換した。日本に来て5年というある韓国人留学生は、「お互いの国に興味を持って交流し続けることが大事」と語った。また、ある日本人女性も、「フェスタを通してお互いのイメージ、感じ方に新しい発見をと期待して来た。これからも韓国人と対話する機会を持っていきたい」と自らに言い聞かせるようだった。
「日韓チーム次世代」の武田留生代表と2部の進行を担当した青年会中央本部の朴善貴会長は、「韓国と日本の間をまたがっていく存在となりたい」と抱負を述べた。フェスタの共同実行委員長を務めた在日韓国留学生連合会の申扶憲会長は「日本に来る前は距離感を持っていた。きょうのシンポでぐっと近づいたと感じた」と手応えをつかんだよう。
野外アプローチデッキには韓国風おでんやサムギョプサル、ホットックなどを売る「コリア屋台村」が出店し、にぎわった。フィナーレでは私立向上高等学校書道部が青年会の農楽隊とコラボし、パフォーマンス書道を披露した。
(2010.12.1 民団新聞)