交通規制を強行突破…不明団員と感激の対面<岩手>
岩手県は宮古、久慈、釜石、大船渡などが津波による激甚被災地だ。この沿岸部一帯には33世帯96人の団員が居住している。このうち、15日現在で無事が確認できたのは13世帯54人にとどまっている。20世帯42人の安否が確認できていない。
激甚地区には入れない、電話はつながらない、訪問確認しようにもガソリンがなくて車を動かせない。韓国のテレビ局取材班が秋田空港からレンタカーで盛岡入りしたが、ガソリンがないためその後の身動きが取れない。助けようにも助けられない状況だ。
民団岩手(金盛義団長)の対策本部は、避難所に集まっている人の身元が公開されているインターネットを手がかりにしている。電話が機能しないので、同じ地域にいる夫婦でさえ消息の確認ができない。本部のある盛岡市のすぐ隣の雫石市の団員に安否を確認しようにも、電話が通じない。
姜英萬事務局長は「予断は許されないが、大船渡の民団役員の息子が経営しているパチンコ店が、行って見たら跡形もなかった。団員の犠牲者が出ないとは限らない。暗澹たる気持ちだ」と語り、「大船渡など激甚地区の消息不明の団員たちが気にかかる。通行規制はあるが、16日朝には支援物資を持って、強行突破してでも行くつもりだ」と並々ならぬ決意を見せた。
(2011.3.16 民団新聞)