<福島>原発事故が追い打ち 放射能漏れの恐怖深刻
民団福島本部(禹日生団長)は地震発生時、23日の地方委員会・大会を準備するための会議を郡山市の本部会館で開催中だった。書類棚が倒れ、ガラスが割れ、置物が落ち、事務所内は足の踏み場もないほど。参加者の中には、激甚地区のいわき市に自宅や事業所を持っている幹部もいる。
すぐに、安否確認に動いたが、同じ町内でも電話が通じない。12日には、原発のあるいわき市から避難してくる人も目立ちはじめ、自治体の広報車両が毛布の寄付を募るなど、騒然とした雰囲気に。
中央対策本部は、福島本部が機能をまともに発揮できない事情を考慮し、激甚地区の上に原発問題を抱えているいわき市在住の団員に安否確認の電話作戦を14日から本格化した。
不通の場合が多い中でも、次々に無事の確認が取れた。だが、皆がみな放射能漏れ影響を深刻に口にした。金栽順さん(郡山市)のように、「不安で、福島空港から家族で韓国に行くことを決めた」と話す団員もいるほど。
「夫婦とも無事です。津波で1階はどろどろ。2階で生活している。原発問題では今のところ避難地域にはなっていないが、やはり不安だ」(李章黙さん)。
「家族は無事。家にひびが入り、食器家財道具に被害が出た。原発から40㎞なので現在(14日10時)は自宅で大丈夫。ガス・電気は来ているが、水がない」(田炳和さん)。
14日午前11時30分頃、通話中に原発爆発の知らせが入り、「今から避難する」(朴善玉さん)という同胞もいた。
(2011.3.16 民団新聞)