◆用地の確保が大きなカギに
東京にも在日韓国老人ホーム「故郷の家」をつくろう―。「在日韓国老人ホームを作る会」(高橋重宏会長、本部・大阪府堺市)は同会発足26周年を記念する「東京大会」を9日、千代田区のアルカディア市ヶ谷で開いた。会場は定員を上回る120人でいっぱいになり、事実上の決起集会の様相を見せた。
「作る会」は85年2月に発足。堺市から始まって大阪市生野区、神戸市、京都市で「故郷の家」を開設してきた。東京でも大会を前に故郷の家・実行委員会(樋口恵子実行委員長、高齢社会をよくする女性の会理事長)を発足させた。
全国4カ所で特別養護老人ホーム「故郷の家」を運営する社会福祉法人「こころの家族」の尹基理事長は、自身のめざす「故郷の家・東京」の青写真について、「いまのところはまったく白紙」としながらも3つの案を提示した。
A案は特養ホームに留学生会館と独立型の本格的な文化ホールを備えたこれまでになかった総合センター型。B案は老人福祉施設をメーンにした従来型。C案は都内での用地事情を勘案、定員30人程度のグループホームを少なくとも都内4カ所に建設するというもの。
尹理事長の理想とするA案の実現には干坪以上の敷地が必要だ。
席上、尹理事長は「故郷の家・東京」建設の一助にと、昨年10月、堺市から贈られた第2回自由都市・堺平和貢献賞大賞の賞金300万円を「作る会」の高橋会長に手渡した。民団から金龍濤東京本部団長や呉永錫新宿支部支団長らが出席。駐日大使館の金辰植総領事が、権哲賢大使の祝辞を代読した。
(2011.3.16 民団新聞)