<東日本大震災>「再起へ勇気を」全国一丸
不眠不休の緊急支援…民団対策本部 激甚被災地中心に
東日本大震災からこの25日で2週間が過ぎた。民団中央対策本部(本部長=鄭進中央団長)が24日17時現在でまとめた団員らの被害状況は、激甚地区の220世帯668人中、安否未確認が34世帯79人。1人の死亡が確認された。安否不明が少なくなく、家屋・事業所の損壊・流失が多数にのぼることから、被害はさらに拡大する見込みだ。激震・津波による1次災害に、原発事故による2次災害が加わったことが大きい。
未曾有と言われる被害はなお拡大途上だ。精神的な重圧はこれから本格化する。中央対策本部は安否確認と緊急救援に全力投入する初期対応を継続しつつ、本国の政府や在日関連機関との協力も得て、全組織をあげた中・長期的な復興支援体制へのシフトを段階的に推進する。
東日本大震災の被災地のうち、青森、秋田、山形の各民団本部の調べによれば、管轄地域の団員関係者や韓国会館の被害はない。
最も被害が大きいのは民団宮城地域だ。1人が死亡、激甚地区の75世帯252人中、9世帯16人の安否がなお不明だ。家屋の全壊・流失は13、半壊8、事業所の被害は12件となっている。
岩手は人的被害が皆無だった。29世帯102人全員の無事が23日18時の時点で確認された。家屋の全壊・流失は4、事業所被害は8件だった。
原発事故を抱える民団福島地域の激甚地区93世帯235人中、安否未確認は25世帯63人におよぶ。ただ、現地対策本部は原発関連の避難者が20世帯50人以上と見ている。家屋の全壊・流失も不明で、半壊の確認が12件だった。事業所被害は30件と推定している。
いわき市のある福島県と隣接する民団茨城管轄内は、被災地の20世帯71人全員の無事が判明。だが、原発事故のため24人が避難を余儀なくされている。家屋の半壊が5件、事業所被害は12件。
民団千葉は3世帯8人が被災。全員無事が確認されたものの、家屋半壊3件、事業所被害が1件。新潟本部管内でも事業所の被害が4件ある。
民団施設では、福島韓国会館が周辺の地盤沈下による影響をもろに受けた。1階のあすか信組郡山支店のエントランスのガラスが割れ、床が歪んだ。民団千葉・東葛支部の会館が外壁を破損している。
激甚被災地の中で宮城、福島両地方本部の団員は、安否確認に全力投入してもなお、少なくない不明者が残っており、人的被害についても予断を許さない。また、家屋・事業所の損壊・流失も実態把握が困難な状況で、経済的な損失が膨らむのは避けられない展望だ。
(2011.3.25 民団新聞)