◆新大久保コリアンタウンで3日間賑わう
東京・新大久保「コリアンタウン」の中心にある新宿区立大久保公園で19日まで3日間、東日本大震災からの復興支援を目的とする「韓日友好チャリティーマダン」(同実行委員会主催)が開かれた。最終日は天候にも恵まれ、約4000人(主催者発表)の韓流ファンでにぎわった。期間中の収益と寄付金は新宿区に寄託。区から日本赤十字社を通じて被災地に贈る。
会場は会期中、「韓流タウン」の様相を呈していた。20を数える出店・屋台では地元の代表的な韓国料理店が、新大久保の地元発祥という「バーベキュー・サムギョプサル」や「韓国ひめキムパ」といった自慢の味を試食の形で振る舞った。韓国伝統民俗食堂の関係者は、「イベントを起爆剤に自粛ムードただよう新大久保の街をさらに活性化させたい」と話していた。
世代を問わず人気を集めたのは定番のチヂミやトッポキ、ホットク、パッピンス、ヨーグルト味の冷飲料スムージーなど。テーブル席では子育て真っ最中の同胞主婦らもマッコリや韓国ビールを酌み交わしながら、「韓国人と日本人が共に楽しむ、こういう場所で飲む酒はほんとうにおいしい。チヂミも最高」とご機嫌だった。
ステージでは地元のライブハウスを拠点とする韓流スター「KINO」「SOS」「ROTI」の登場に10代の若い女性を中心に歓声が上がった。最終日に特別出演した韓国で人気のトロット歌手、パク・ヒョンビンではファン層が40代の主婦層まで広がり、ステージを囲む500人以上を熱狂させた。チャリティーオークションでも韓流スターのサイン入りTシャツやCDが高値で次々と落札されていった。
地元民団新宿支部の関係者は会場の熱気にびっくりした表情だった。会場の一角で済州島の「世界7大自然景観」入りに向けた広報活動を展開していた呉賛益さん(日本地域推進委員長)は、来場者からの相次ぐ問い合わせに、「自信を持った。観光地としての済州島をもっともっとPRしていかなければ」と自らに言い聞かせていた。
民団東京本部の金龍濤団長は、「韓日親善のマダンにこれだけたくさん集まってくれるなんて、感慨無量だ」と述べた。
民団中央本部からは韓在銀副団長が会場入りし、実行委員会関係者を激励して回った。
◆激励の折り鶴1万羽…「東北ガンバレ!」
チャリティーイベントのシンボルマークである折り鶴でかたどった「東北がんばれ」の文字が、日本語とハングルで会場の一角に張り出された。折り鶴は幼児の手にすっぽり収まる大きさで、韓国を表す赤と日本の青の2色刷り。同実行委員会が地元住民の協力を得て1万羽を折った。折り鶴に混じって小さな文字で「負けるな日本」「ファイティング」「ネバーギブアップ」などの書きこみも見られた。
(2011.6.22 民団新聞)