国際オリンピック委員会(IOC)は6日、南アフリカのダーバンで総会を開き、2018年冬季五輪の開催都市に韓国の平昌を選んだ。韓国での五輪開催は1988年のソウル五輪以来30年ぶりとなり、冬季大会は始めて。アジアでは72年の札幌、98年の長野に続き3度目となる。平昌冬季五輪は2018年2月9日〜25日、パラリンピックは同3月9〜18日に開催される。
平昌は95人のIOC委員による投票で、1回目に63票の過半数を獲得。史上初の夏冬開催を目指したミュンヘン(ドイツ)とアヌシー(フランス)に大差(ミュンヘン25票、アヌシー7票)をつけて圧勝した。過去2度の落選から不屈の精神で3大会連続の挑戦で悲願を達成した。
平昌は10、14年大会にも立候補、いずれも1回目の投票でトップに立ちながらも決選投票で小差で敗れた。3度目の挑戦となった今回、招致の過程でリードを続けた平昌は、1回目の投票での過半数獲得を狙った。
平昌を圧勝に導いたのはプレゼンテーションだった。李明博大統領、趙亮鎬誘致委員長、大韓体育会の朴容晟会長、金振ソン特命大使ら重鎮と、フィギュアスケート界のスター、キム・ヨナ、テコンドーの英雄として知られる文大成IOC委員、韓国から幼いころに養子縁組で米国に渡ったスキー選手、トビー・ドーソン(韓国名キム・スチョル)ら若い力がうまくかみ合った。6日に行われた最終プレゼンテーションは「新たな地平線」というスローガンを理想的に表現できたとの評価を受けた。
不毛の地だった平昌が五輪招致の歴史に新たな1ページを刻んだ背景には、失敗を成功につなげるための努力と準備があった。初めて冬季五輪招致に乗り出した12年前に比べると、平昌は著しく発展した。近代式の宿泊施設が並ぶアルペンシアリゾートは海外と比べても遜色ないスキーリゾートとして定着し、最先端施設を誇るスキージャンプ台、きれいに整ったノルディックスキー会場は冬季スポーツファンを呼び寄せている。。
数年前と比べると、五輪開催が可能なほど完ぺきに様変わりした平昌は、2月に訪問した国際オリンピック委員会(IOC)の評価委員会を驚かせた。評価委は、2度の失敗にもかかわらず必ず五輪を招致するという江原道民の情熱を高く評価していた。
◆李大統領「国民の勝利」
南アフリカ共和国を訪問中に自らプレゼンテーションも行った李明博大統領は6日、平昌が2018年冬季五輪の開催地に選ばれたことについて、「大韓民国国民の勝利」だとした上で、「国民の皆さんに感謝する」と述べた。
◆キム・ヨナ「夢成し遂げた」
私たちはついに夢を成し遂げた。多くの韓国国民と平昌の人たちが長い間この瞬間を待っていた。チームの一員に加われてとても光栄です。