在日の力、全開させる…体力とメンタルを鍛えて
第92回全国体育大会在日同胞選手団の引率団長を務める民団大阪本部団長の金漢翊氏。2月の民団定期中央委員会で、鄭進中央団長から委嘱状を授与され、静かに闘志を燃やしてきた。故郷は京畿道広州市。韓国国体にも何度か観戦にいくほど、根っからのスポーツ好き。在日同胞の連覇をめざす金団長の意気込みを聞いた。(インタビュー構成)
引率団長を引き受けることになり、自分に何ができるのか、責任の重さを日々深く感じている。
選手たちがベストコンディションで試合に臨めるよう、引率団長として、その環境作りに最善を尽くしていきたい。
選手1人ひとりに励ましの声をかけたり、競技では力一杯応援するなど、自分が出来ることはすべて出し尽くす。
勝負は今から始まっている
昨年、4年ぶりに在日同胞が海外同胞総合優勝を奪還したことは記憶に新しい。もちろん連覇を狙う気持ちでいっぱいだ。各国同胞選手の出場数が年々拡大し、さらに各国ともレベルアップしていると聞いた。
在日同胞の連覇は簡単ではないことも痛感している。体力だけでなく、メンタル面でも鍛えていかなければならず、すでに今から勝負は始まっている。
試合会場が広範囲に散在していることもあり、宿所からの移動など、選手たちが不便のないよう細心の注意を払いたい。
体育会では本番に向けて、優秀選手の発掘に全力を注いでいるという。頼もしい限りだ。
どんなスポーツにも勝ち負けがついてくる。それでも、選手たちが悔いを残さず、すべての力を発揮できるよう、選手団全役員がひとつになって後押ししたい。
今回、大阪では在日同胞の連覇を後押しするため、国体の大型応援団を募っている。近畿地方協議会を中心に、在日同胞のプライドを胸に、現地で観戦しながら大声援を選手たちに送りたい。
金剛学園の理事長も務め「文武両道」をモットーに、テコンド、テニスをはじめとするスポーツ強化へ人工芝テニスコートの敷設、テコンド道場「金剛修錬館」建設など、スポーツ環境の充実を図ってきた。
児童・生徒たちのスポーツ競技をよく観戦にいく。そのたびに感じていることがある。
「このオリニたちが将来、韓国国体に出場し、在日同胞社会を担っていくんだな」と。
今、在日同胞社会では、民団の求心力が薄れつつあると言われているが、このような韓国国体で海外同胞との競技となると、全選手が在日同胞としてのプライドを持ちながら、戦っている。この燃える心意気がある限り、まだまだ、民団は大丈夫だ。
「粘り強く」合いことばに
同胞が最も多く住む大阪からその思いを発奮させ、在日同胞の団結力を改めて示していくつもりだ。その意味でも、引率団長の重責を担うことに、誇りを感じている。
また、今回引率副団長を受けていただいた人や多くの賛助者に、心から感謝したい。
好きな言葉は「粘り強く」。この言葉を合いことばに国体で在日同胞の魂を世界の同胞に知らしめ、その足跡を残してきたい。
(2011.7.13 民団新聞)