在日韓国人信用組合協会(韓信協、権東鉉会長)傘下7組合の総代会が6月中にそれぞれ開かれ、3月末決算(2010年度)業績は、預金が前年同期比4・23%増の6163億9300万円、貸出金が同1・25%減の4221億5400万円だった。出資配当を実施したのは4組合。
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あすか信用組合
被災組員を積極支援
あすか信用組合(李永植理事長、本店・東京都)は24日、新宿の本店で第45期通常総代会を開いた。総代117人中101人(委任状48)が出席した。
預金が前年同期比9・01%増の1920億6030万円、貸出金が同2・88%減の1207億3520万円で、預貸率は62・86%だった。
李理事長は「預金に関しては多種多様の豊富な商品を提供した結果、昨年12月からの金利引き下げにもかかわらず、前期比9%増という大幅な伸びになった」と総括しながら、「東日本大震災の支援金として拠出した5000万円などを除き、2億1650万円の純利益をあげることができた」と指摘した。
また、「復旧・復興に努力している組合員らを今後も続けて積極的に支援していく」ことを強調した。
配当は昨年と同じく1%で、自己資本比率は6・24%。
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信用組合広島商銀
出資配当2%を維持
信用組合広島商銀(鄭義夫理事長、本店・広島市)は17日、本店で第50期通常総代会を開き、鄭理事長(会長兼任)を再選した。総代120人中119人(委任状56)が出席。
預金が1337億6628万円(前年同期比4・31%増)、貸出金が934億8628万円(同3・85%減)で、預貸率は69・89%だった。
鄭理事長は「安定した資金量の確保を図るべく預金では成果を見せたが、資金需要が停滞している市場環境などの影響で貸出金が伸びなかった」と述べ、「健全経営を目指し、貸倒引当金の積み増し(3億8100万円)を行った結果、純利益は1億6200万円にとどまった」と説明した。
余裕資金の収益アップに取り組み、安全性を重視して国・社債に運用し、有価証券の残高は107億円(前期比74億円増)に増えた。
配当は昨年と同じく2%で、自己資本比率は5・78%。
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信用組合愛知商銀
収益力強化で利益増
信用組合愛知商銀(権東鉉理事長、本店・名古屋市)は24日、愛知韓国人会館で第58期通常総代会を開き、権理事長を再選した。総代123人中98人(委任状49)が出席した。
預金が815億5249万円(前年同期比2・85%増)、貸出金が632億5558万円(同7・89%増)で、預貸率は77・56%だった。
純利益は6億9834万円で、自己資本比率は5・68%。
権理事長は「収益力の強化並びに取引基盤の拡充に努めた結果、預金、貸出ともに伸び、7億円近い純益を出すことができた」と評価する一方、「しかし、末処理損失金を昨年に比べて半分に減少させたものの、まだ7億円超が残っているため、今年の配当は見送らざるを得なかった。この1年間でめどがつきそうなので、来期からは配当が出せるように業務に取り組んでいきたい」と強調した。
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九州幸銀信用組合
10%超伸び基盤強化
九州幸銀信用組合(呉龍夫理事長、本店・福岡市)は27日、本店で第55期通常総代会を開いた。総代115人中77人(委任状41)が出席。
預金が前年同期比14・88%増の758億8453万円、貸出金が同11・11%増の533億7590万円で、預貸率は70・34%だった。強固な企業体質を確保するため、「第2次中長期経営計画」をもとに経営基盤の強化や人材育成などに注力した。
呉理事長は「預金、貸出金ともに前年比10%を超す伸び率を達成した。業務純益が3億2800万円と昨年を大幅に上回る収益を確保したものの、不良債権の早期処理および貸倒引当金の積極計上により、最終的に1億2600万円の赤字決算になった」と語った。
配当は昨年と同じく1・0%で、自己資本比率は6・18%だった。
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中央商銀信用組合
預金・貸出とも低調
中央商銀信用組合(日高明次理事長、本店・横浜市)は29日、本店で第4期通常総代会を開いた。総代119人中107人(委任状61)が出席。日高理事長が入院のため、鄭学永副理事長が代行した。
預金が748億7332万円(前年同期比12・03%減)、貸出金が492億5751万円(同13・77%減)と、いずれもマイナス基調で推移した。預貸率は65・79%。
貸し出しの低調や信用コストの増加、不良債権処理などにより、約4億円の純損失となった。自己資本比率は4・38%だった。
危機的な状況を乗り越えるには、新体制のもとで韓信協や民団と一致協力していくべきだとの認識のもと、営業エリアである神奈川、千葉、茨城、静岡、北陸(福井、富山、石川)の各民団に対して理事の推薦を依頼し、その承認のための臨時総代会を開催することにした。
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あすなろ信用組合
特別枠で被災者支援
あすなろ信用組合(尹昌旭理事長、本店・松本市)は28日、長野市内のホテルで第36期通常総代会を開き、新理事長に呉公太副会長を選出した。総代124人中100人(委任状50)が出席。
預金が前年同期比0・47%増の373億8808万円、貸出金が同0・84%減の290億6622万円で、預貸率は77・74%だった。
業務純益は増加したものの、建設業や不動産業などの経営悪化による貸出金の減少、不良債権処理費用の増加などで1億9400万円の赤字決算となった。自己資本比率は5・55%。
なお、「東日本大地震緊急融資」特別枠を設け、被災者向け支援を行っている。店舗廃止を計画していた諏訪支店(長野県)は出張所として存続することになった。
呉新理事長は「経営健全化計画を着実に推進しながら、収益改善に向けて努力する」と決意を語った。
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信用組合岡山商銀
創立50年を新体制で
信用組合岡山商銀(李根善理事長、本店・岡山市)は17日、本店で第49期通常総代会を開き、新理事長に梁炳玉専務理事を選出した。総代110人中82人(委任状24)が出席。
預金が前年同期比8・10%増の208億6884万円、貸出金が同0・94%増の129億7719万円で、預貸率は62・18%だった。
資金需要の低迷や長期貸出の繰上償還などで伸び悩んだ。業務純益金が4194万円にとどまり、不良債権の処理により純利益は2億3050万円の赤字決算となった。配当は昨年と同じく2%で、自己資本比率は7・26%。
梁新理事長は「来期は創立50年を迎える。同胞のための民族金融機関であるという設立趣旨を忘れることなく、また、時代のニーズにマッチした地域密着の営業を展開し、地元の中小企業の発展に貢献していく」と抱負を述べた。
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年金口座数 関西1位
近畿産業信用組合
近畿産業信用組合(大本崇博理事長、本店・大阪市)は24日、京都市内のホテルで第58期通常総代会を開いた。総代218人中194人(委任状85)が出席。
預金が8917億3687万円(前年同期比23・07%増)、貸出金が4663億5938万円(同14・38%増)で、預貸率は52・29%であった。
大本理事長は「預金、貸出金ともに大幅に伸びた。昨年11月の難波支店新築移転に向け、手弁当で走り回った全店の推進委員のおかげ」と謝意を表し、「年金受給口座数でも1万4450口座と近畿地区信組の実績1位になることができた。総預金1兆円をめざしさらに飛躍しよう」と呼びかけた。
純利益は31億1738万円で、出資配当は2%、自己資本比率は10・11%。
(2011.7.13 民団新聞)