北韓メディアは4日に開かれた「平壌市軍民大会」を報道した際、「軍糧米の供出」発言について稚拙な造作を行い、韓国世論を呆れさせている。
大会を実況中継した朝鮮中央放送は、万景台野菜工場のキム・ヨンボク管理委員長の発言をそのまま流した。
「我ら農業勤労者たちは、先の祖国解放戦争時の農業戦士のように、片手に銃を、もう片方には鎌を持ち、我が農業生産において決定的な転換を遂げ、売国逆賊の李明博逆徒の頭を打ち砕く我が軍隊に、さらに多くの軍糧米を送るための闘争に一身を捧げて行きます」
しかし、外部でも視聴が可能で、インパクトの強い朝鮮中央テレビはその後、軍糧米関連部分(ゴシック部分)を削除して報道した。これは、農民が生産する食糧が軍糧米として供出されており、国際社会が支援する食糧も結局は、軍糧米に転用される仕組みを露出させたことになる。
北韓にとって虚偽報道、報道操作はプロパガンダの伝統的な手法であり、いちいち糾していては際限がない。だが、食糧支援問題、中でも支援食糧が住民の口に入るのか入らないのかが焦眉の問題だけに、無視できない。
加えて、つい最近、西側では初めて平壌に総合取材支局を設けた米国のAP通信が17日、全世界の配信先に対して、「7月16日に送信した朝鮮中央通信の写真を削除して欲しい。問題の写真は、デジタル技術で加工されたもの」との通知文を送った事件がある。
この写真は、朝鮮中央通信が15日に「撮影」し、16日、APに提供したもので、「浸水」した大同江近くの道路を歩く住民7人の姿があった。北韓が国際社会から支援を得ようと、被害を大きく見せようとしたものだ。
APは支局の開設にともない、朝鮮中央通信と写真の提供などに合意していたが、端からつまずかされたことになる。
(2011.7.27 民団新聞)