▼万全のインフラで変身
「生きている海、息づく沿岸」をテーマに来年5月12日〜8月12日の3カ月間にわたり、全羅南道の麗水市で開催される「麗水世界博覧会」(麗水博)の説明会が15日まで東京、大阪、福岡で行われた。建設交通部長官や仁川空港社長などを歴任した、麗水博組織委員会の姜東錫委員長(73)に同博の魅力などについて聞いた。
▼ITで楽しむ参加型
−−テーマについて…
海洋環境の保存は世界がひとつになって取り組むべき課題。海と人類の共存をどうすべきか、皆で模索するエコ博だ。麗水の人口は30万人にすぎないが、400の島々が浮かび、リアス式海岸がとてもすばらしい。ヨス(麗水)の本来の意味は「美しい水」。近くにラムサール条約に登録された湿地帯の順天湾がある。
−−愛知万博(05年)や上海万博(10年)との違いは…
いずれも会場が広すぎて、観覧者はただ見て回るだけだった。コンパクトな規模の麗水博は観覧者が主人公で、直接参加しながら楽しむことに重点をおいた。映像を単に見せるのではなく、スマートフォンを通じてリアルタイムに情報を得ることができ、予約も可能だ。ユビキタス万博と銘打ち、観客一人ひとりに配慮したサービスを心がけたい。
−−出展予定は…
99カ国・8国際機関が決まっている。会場は陸上と海上が半々で、海上にもテーマ館を設営し、舞台を設ける。工事の進捗率は6割ほど。終了後は、海上舞台やテーマ館、ファンタスティックなマルチメディアショーなど、そのまま観光リゾートとして活用する。
−−宿泊施設や交通の便は…
宿泊は麗水以外に、周辺1時間内の大学寮やテンプルステイ、ホームステイなど、宿泊施設として認証を受けたところを紹介できる。
南海岸は秀麗な景観を有しながら、アクセスに問題があった。そこで麗水博にあわせてインフラ改善を進めることにした。
南東の釜山と南西の木浦を結ぶ南海岸ベルトが整備され、主要都市からの連結が便利になる。高速鉄道KTXが9月末に開通すれば、ソウル(竜山)から麗水エキスポ駅まで3時間20分と、2時間も短縮される。
−−クルーズ船の入港も?
会場に直結する港湾には、釜山と同じく最大8万㌧級のクルーズ船が入るターミナルを建設中だ。水深があり、5000人が乗船可能な13万2000㌧級の船が入港できる。
博多〜釜山間で高速船「ビートル」を運航するJR九州高速船(福岡市)が会期中限定で博多〜麗水で週3便を計画しているほか、日本や中国を回るクルーズ船も入港する。
−−在日同胞へのメッセージを…
ソウルと地方の格差解消が課題だったが、今回のエキスポを契機に麗水周辺は見違えるように変身する。全羅道は自然のみならず、食や文化・芸術など観光資源が豊富だ。湖南出身をはじめとする在日同胞に飛躍的に発展した姿をぜひ見てほしい。
(2011.7.27 民団新聞)