掲載日 : [2019-04-17] 照会数 : 14216
多様化に対応する組織に…前期全国団長会議「5大方針」を確認
[ 中央会館で開かれた全国地方団長・中央傘下団体長会議 ]
「同胞の生活守る」最優先
ヘイトスピーチ根絶へ条例制定を推進…8大都市重点に
2019年度前半期全国地方団長・中央傘下団体長会議が11日、韓国中央会館(東京・港区)で開かれ、今年度活動方針の柱である①同胞の生活と権益擁護②韓日友好親善③次世代育成④組織基盤強化⑤平和統一へ寄与を中心にした団務示達を確認した。また、組織改革委員会の第1次中間報告を受けて、役員就任規定の緩和、3機関制度のあり方、組織活性化などの意見交換を行った。
会議に先立ち、今年の地方大会・総会で新たに選出された地方団長と中央傘下団体長の紹介が行われた後、呂健二団長は、「今日から今年が実質的に始まる。5つの活動方針の柱をいかに展開していくかが大切だ。皆さんの果敢な意見を聞きながら討議し、一つひとつ着実に具体化していきたい」とあいさつした。
朴安淳議長は「この1年間、私たちを取り巻く環境が激変している。平昌五輪以降、本国情勢が急激に変化しているが、何よりも在日同胞の生活を守り、共に支え合うことが使命だ」とし、「組織構成員も多様化しており、民団組織のあり方を見直し機能的で活力ある制度に変えていくことを考えている」と述べた。
梁東一監察委員長は「就任から1年間、試行錯誤しながら在日同胞のために何をすべきかを考えながら任務を果たしてきたつもりだ。呂団長の理念でもある同胞の生活と権益を守ることが何よりも大切。未来を見据えた活動を考えていこう」と呼びかけた。
李洙勲駐日大使は激励辞で「時代の変化にともない、在日同胞社会も構造変化に直面しているが、幅広い同胞の和合と交流に努力している皆さんに心から感謝している。今後もまた、ヘイトスピーチの根絶、韓日友好親善、次世代育成、地方参政権獲得に邁進していただきたい」と求めた。
顧問団を代表して呉公太常任顧問は「今の韓日関係の中で、いかに同胞の生活を守っていくかが大切。本国関係に積極的に働きかけていくことも大切」としながら、「在外同胞財団など、本国各部署と緊密に連絡し合っていただきたい」と求めた。
前職の地方団長、中央傘下団体長に感謝状が伝達されたあと、今年10月4日に開幕する第100回韓国国体ソウル大会の在日同胞選手団長を務める呉公太常任顧問に委嘱状が手渡された。
団務示達では、今年度の5大方針について徐元喆事務総長から説明があった。
「同胞の生活と権益を守護」では①生活相談センターの充実②ヘイトスピーチ根絶③地方参政権獲得運動④在日コリアンの人権白書セミナーを展開していく。
生活相談センターでは今年7月に、専門相談員や各地方センター担当者を対象にした本国セミナーの説明と昨年から実施している「家族関係登録」診断キャンペーンの積極活用を呼びかけた。
「ヘイトスピーチ根絶」では現存解消法の改正とネット上でのヘイト解消を要望していくことや、地方自治体での条例制定実現をめざす。特に東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫、京都、広島、福岡の8大都市を重点に働きかけていく。
「韓日友好親善」では韓国語教室をはじめ各種文化教室、交流イベントなどを通じて各地方会館が「韓日文化交流センター」としての役割を担っていく。
「次世代育成事業」では中・高校生を対象にした在日同胞次世代サマースクールは、中学生が7月25日から、高校生が7月31日からそれぞれ、3泊4日の日程でソウルのオリンピックパークテルを宿所に開催し、韓国の現況や、在日同胞の歴史と未来の役割について学ぶ。
大学生については今年は本国ではなく、学生会とタイアップして、「在日大学生ジャンボリー(KSJ)」を日本国内で8月中に開催する。
また、「組織基盤強化」は昨年に続き戸別訪問を全国展開するほか、同胞過疎地域の統括局長派遣の検討や地域同胞リーダーワークショップを開催する。
「平和統一への寄与」では平和統一推進委員会(仮称)における各種研修や北送60年シンポジウムを11月中に開催することも報告された。
この後、組織改革委員会(金泰勲委員長)から、この1年間協議を重ねてきた地方本部における3機関長就任要件(国籍問題)や3機関制度といった民団の制度、機構、機能の見直しなど今の時代に対応できる組織整備への提言でもある「第1次中間報告」が発表され、意見交換が行われた。これに関しては翌日の在日同胞地位向上セミナーでも活発な意見交換会が続けられた。
(2019.04.17 民団新聞)