国連人種差別撤廃委員会は、8月20日と21日にスイスのジュネーブで人種差別撤廃条約の実施状況に関する日本政府報告書の審査を行い、同29日に日本政府に対して、在日コリアンらに対するヘイトスピーチ(憎悪表現)問題に「毅然と対処」し、法律で規制するよう勧告する「最終見解」を公表した。
日本は「正当な言論までも不当に委縮させる危険を冒してまで処罰立法措置を検討しなければならないほどの状況にあるとは考えていない」との見解から、人種差別の宣伝・扇動の法律による禁止と処罰を定めている条約第4条(a)(b)の留保を固持し続けている。
これに対して、委員会は「最終見解」で、日本での暴力的なヘイトスピーチの広がりに懸念を表明。ヘイトスピーチ対策を、その他の抗議活動などの「表現の自由」を規制する「口実として使われてはならない」とくぎを刺すと同時に、差別的な街宣デモなどへの断固とした対応や、そうした行動に責任ある個人や団体を捜査し、必要な場合は起訴するよう求めた。また、ヘイトスピーチを行った公職者や政治家に対しての制裁も促した。さらに、第4条(a)(b)の留保の撤回の検討を勧告し、ヘイトスピーチの法規制や、人種差別禁止法の制定を促した。
日本の人権状況を審査していた国連自由権規約委員会も7月、ヘイトスピーチなど人種差別を助長する行為の禁止を求める勧告を発表している。
(2014.9.10 民団新聞)