大阪韓国文化院「特別展」
【大阪】駐大阪韓国総領事館大阪韓国文化院は「ソルラル」(旧正月)と並ぶ韓国の代表的な名節「秋夕」を五感で楽しめるようにと、「特別展示会」を大阪韓国人会館4階で開催している。観覧者は興味津々の表情で韓国の伝統風習の世界に浸り、カメラに収めていた。
展示の中心となる食膳模型「茶礼床」には20数点のお供物を5列に取りそろえて再現した。日本ではなかなか手に入らない材料も多いため、韓国の専門家に制作を依頼した。
様式は各地方、家庭ごとに異なるが、最も一般的とされるソウル・京畿道地方を基準とした。茶礼床の並べ方や手順を解説したパネルは、日本語にない単語をいかにわかりやすく訳すかに苦労したという。
婦人会大阪本部のある関係者は、「ここには栗も干し柿も置いてある」とびっくりした表情。「果物は3種類なのに、うちとは違うものが供えてある。勉強になった」という声も聞かれた。
呉才子さん(63、大阪市平野区)は、「父は祭祀を大切にし、日本人の母がしきたりも違うのに、父についてお膳にたくさんのお供えを並べていた。最後まで寄り添った両親の愛情を感じます。この展示会はいいですね」と感心していた。
秋夕に欠かせないお餅ソンピョンや、韓服を新調する秋夕タビムの風習、数十人の女性が輪になって踊るカンガンスルレ、シルム(韓国相撲)について解説したパネルも展示。ボリョ(敷き布団のような横長の座布団)に直接座って両班気分を体験できるようにもした。29日まで。
(2012.9.26 民団新聞)