国会で今週中に改正法案議決へ
12月19日の第18代大統領選挙のための在外国民選挙人登録と国外不在者申告の手続きが大幅に改善されることになった。①家族(本人及び配偶者の直系尊属・卑属)による代理登録申請許容②Eメールによる登録・申告許容③中央選挙管理委員会在外選挙官による巡回登録申請受付制導入を骨子とする公職選挙法改正案が、19日の国会行政安全委員会を通過した。今週中に本会議で正式に議決され、10月2日にも改正法が公布され、即時施行の見通しだ。
在外選挙制度の有権者は「在外選挙人」と「国外不在者」の2種類。民団団員の多くは「特別永住者」か「永住者」で、日本生まれかその家族が大半。有権者のほとんどが「在外選挙人」となる。
「国外不在者」は韓国生まれの有権者で旅行、留学、駐在員など一時滞在者や韓国から海外に移住した、いわゆる韓国での「住民登録番号」を持つ人たち。「国外不在者」については、これまでも郵便での登録、巡回受け付けでの登録が可能だった。
だが、「在外選挙人」として大統領選挙に投票するためには、選挙人登録が不可欠で、そのために公館まで足を運ばなければならない。また、有権者資格は19歳以上の韓国国籍者だが、選挙人登録には旅券所持が必須だ。旅券を所持していない人は、まず旅券申請・受け取りのために公館に2度足を運ぶ必要がある。
今回の法改正による家族代理登録申請や巡回受け付けの実現は、公館までの交通便が悪い地域居住者や高齢者などにとっては朗報だ。登録申請締切(10月20日)まで1カ月を切っているが、今回の法改正のほか、日本地域の登録所である大使館領事部や各総領事館は土・日・祝日も受付窓口を開けることになり、登録申請者数の増加が予想される。
民団中央では、これら不便の改善を求め、本国政府関係機関をはじめ、各政党や議員、中央選挙管理委員会などに要望活動を継続してきた。また、現在、在外選挙人の登録所である公館に配属されている中央選管委在外選挙官も民団の要望を重く受け止め、在日同胞有権者の便宜を図るため本国側に再三にわたり改善要望を行ってきた。
民団の要望には各政党や議員、政府機関も理解を示し、今年4月に選出された第19代国会議員の多くが公職選挙法改正法案を提出していた。しかし、「統合進歩党」の不正選挙疑惑に加えて新国会の運営をめぐる与野党の思惑なども絡み、第19代国会の開院が遅れ、公職選挙関連法の改正は、大統領選挙在外選挙人登録が始まった7月20日には間に合わなかった。
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主要な改善点
◆家族の代理申請が可能
本人及び配偶者の直系尊属(父母・祖父母・養父母など)と卑属(子・孫・曾孫)
※代理申請時でも申請者の旅券原本、国籍確認書類(外登証または特別永住者証明書、在留カード)が必要。コピーも添付
※代理申請人の旅券のコピーが必要
◆登録所(公館)の巡回受付での登録が可能
◆Eメールによる登録・申告が可能
(2012.9.26 民団新聞)