高齢者「清遊会」
同胞高齢者を毎月1回、心づくしの料理でもてなしてきた婦人会東京・大田支部(金景順会長)の「清遊会」が、2月の例会で発足から満10周年を迎えた。家に閉じこもりがちなお年寄りたちもこの日ばかりは民団会館に足を運び、同胞とのおしゃべりを楽しんでいた。参加者の最高齢は95歳の李孟今さん。
「清遊会」が開かれるのは正午から。婦人会役員が忙しく調理にかかりきりのなか、待ちきれないとばかり、2時間前からお年寄りが次々とやってくる。金会長は1人ずつ笑顔で出迎えながら、「元気だったですか」と手を差し伸べた。
食卓には新春らしく、トックをメーンに、各種のキムチやナムル、フェ類など8種類が並んだ。盧幸一支団長は果物やお菓子を差し入れ、「清遊会」の10周年を祝った。
最高齢の参加者、李さんは、95歳のいまでも介護が不要だという。付き添いの娘さん(60)によれば、杖を手にいまも毎日のように出歩く。なかでも、「清遊会」への参加は「すごい楽しみにしている。心のケアになるみたい」という。
同じく金良枝さん(85)も「同胞はいい。なんでも気軽に話せるし。ほんとうにいい」と何回も繰り返し語った。
「清遊会」は、同胞のお年寄りが日本の老人会になじめず、さびしい思いをしていると伝え聞いた李蘭子元会長が発案した。一時は横浜からも参加者が加わり、多いときは35人で部屋がいっぱいになったことも。現在は20人ほどで、ほぼ一定している。
食事会が終わると、引き続きカラオケタイムが始まることも。また、気の合う仲間たちだけで連れだって喫茶店で2次会を過ごす人たちもいる。月1回とはいえ同胞との出会いは参加者にとって、貴重なひとときとなっているようだ。
(2013.3.20 民団新聞)