民団三重と三重日韓協
【三重】1928年から30年にかけて三重県内一志郡から名張に抜ける旧青山トンネルの工事に携わり、犠牲となった同胞と日本人合わせて16人を偲ぶ慰霊祭が20日、名賀郡青山町伊勢路「近鉄旧青山トンネル殉職者供養塔」前で営まれた。民団三重県本部(申載永団長)と三重県日韓親善協会(加藤純一会長)が共催。関係者40人が冥福を祈った。
青山町の善福寺住職の読経が流れる中、申団長はじめ岡田恭孝同協会副会長、洪光子婦人会三重県本部会長らが順番に焼香した。申団長は「他国で亡くなった同胞の無念の思いを、我々が少しでも供養できればという気持ちで、これからも継続していかなければならないと思っている」と話していた。
旧青山トンネルは青山高原の直下にある。近畿日本鉄道の前身である参宮急行電鉄株式会社が大阪方面から伊勢神宮への日帰り参拝の便を図るために鉄道敷設を計画したもの。工事完成後の30年には難工事で犠牲となった人たちを悼む供養塔を建てた。
しかし、犠牲者に8人の同胞が含まれていた事実は、町史でも長らく伏せられていた。地元の中学生が丹念な聞き取り調査を重ねて02年に事実を掘り起こしたことで、慰霊祭が始まった。今年で10回目を数えた。
(2013.3.27 民団新聞)