掲載日 : [2018-10-24] 照会数 : 5821
趙善玉の「飲食知味方の世界」 カジェユク
高麗時代にもあった、「イノシシの焼き肉」
今回の料理名「カジェユク」の「カ」は家、「ジェユク」は肉という意味で、家畜として飼われる豚を意味します。「ヤジェユク」という料理もありますが、調理方法は全く同じです。違いは「ヤ」が、野生という意味で、猪を指します。
その当時は、野山で生息する猪の肉を使うことが多かったそうです。なぜなら「豚」は餌を与えて飼育するため、お金持ちの家でしか食べることができませんでした。
「カジェユク」を初めて食べた時、私は衝撃を受けました。2016年に埼玉県にある高麗神社で、高麗郡の建郡1300年記念イベントの一環で高麗時代の再現料理を依頼されました。
資料がなく苦労して再現した中に「カジェユク」と同じ料理があったからです。高麗時代からいっきに朝鮮朝時代へと時が流れ、その風景が浮かんでくるようでした。
時代を超えても似た料理があります。私が再現した料理が、朝鮮朝時代に引き継がれていると確信した時、高揚した気持ちで涙が溢れ出ました。今でも忘れられない感動の瞬間です。
◇材料(4人分)
豚肉(脂身の少ない部位)200g
小麦粉大さじ3
<下味>
醤油小さじ1
ゴマ油大さじ1
胡椒少々
<焼く油>
ゴマ油大さじ1
サラダ油大さじ1
◇つくり方
1.豚肉は薄くスライスし、2㎜幅の切れ目を入れる。
2.①にあわせた<下味>をつけて、小麦粉をまぶしておく。
3.フライパンにあわせた<焼く油>をひき、②の両面を焼いたらできあがり。
(2018.10.24 民団新聞)