掲載日 : [2018-12-06] 照会数 : 6544
趙善玉の「飲食知味方の世界」ヤックァ
シンプルな伝統菓子
12月は、韓菓をご紹介しましょう。今回は、小麦粉や米粉をこねた生地を整え、油で揚げて蜜をつける油蜜菓(ユミルクァ)の一つ、薬菓(ヤックァ)です。薬菓は日本の方にもよく知られている伝統菓子で、小麦粉、ハチミツ、ゴマ油、酒などを混ぜ合わせた生地を整え、油で揚げてチョッチョン(麦芽を発酵させた上澄み)に漬けた物です。
朝鮮朝時代にも人気がありましたが、小麦粉もハチミツも高価な材料だったので、庶民にとっては高級なお菓子だったと言えます。材料が希少なため、薬菓を作ることが禁止になった時期もあったのですよ。
朝鮮朝時代の薬菓は形も大きくて柔らく、まろやかな味わいでしたが、現代の薬菓は生姜汁やシナモンを入れたり、味にインパクトを与えたものに変化しています。さらに形も小さくて可愛らしくなっています。
初めて『飲食知味方』の調理法を見た時、シンプルすぎる材料だったので心配しましたが、とても美味しく出来上がりました。材料はすぐに手に入るものばかりなので、作ってみてくださいね。
◇材料(4人分)
小麦粉220g、ハチミツ120g、ゴマ油20g、酒15g、お湯15g、塩少々、チョッチョン(ハチミツを代用)1カップ
◇つくり方
1.小麦粉をこんがりと炒めて塩を入れ、よく混ぜてふるいにかけておく。
2.ハチミツ、ゴマ油、酒、お湯を入れ、練ってから折って重ねるを3回繰り返す。
3.②を平らにのばして形を整えて、穴を数カ所開け120~130℃の油で両面をこんがりと揚げる。
4.③の油をきって、チョッチョンに2時間くらいつけて取り出した後に乾燥させたら出来上がり。
(2018.12.05 民団新聞)