掲載日 : [2018-12-26] 照会数 : 5984
趙善玉の「飲食知味方の世界」パムソルギポッ
栗の粉使った蒸し餅
『飲食知味方』には調理方法の他に、ナスや桃、栗、ナツメなどの保存方法が書かれています。冷蔵庫が無かった朝鮮朝時代の保存方法を知れば、現代人も役に立つかもしれませんね。
今回の料理は栗を使って米粉ともち米粉と一緒に蒸した「パムソルギポッ」というお餅で、栗を日干しにしてから粉にしたものを使います。
本書が書かれた慶尚北道は、米や大豆、さつまいも、栗、柿、りんごなど豊かな農作物に恵まれている場所です。本書でもお餅や料理にもそれらの材料が多く使われています。
著者の張桂香先生を紹介する本の中に、飢饉の際にどんぐりの実を粉にした粥を作って、500人の庶民を救ったという逸話が出てきます。張桂香先生は慈悲深く、また数々の功績は現代にまで伝えられています。
贅沢を好まず、身近な食材を最大限に生かした料理を次世代にバトンタッチするために本書を記しました。でも先生ご自身は、この料理書が後世で歴史的に貴重な資料になるとは思っていなかったでしょうね。女性として本当に尊敬します。
◇材料(4人分)
米粉4カップ、もち米粉1/2カップ、栗の粉1カップ
塩大さじ1/2、ハチミツ水(ハチミツ 大さじ2、水大さじ3)松の実の粉1カップ
◇つくり方
1.栗を日陰で干して乾燥させてから、つぶして粉にしふるいにかけて細かい粉を作る
2.栗の粉に米粉ともち米粉、塩を混ぜ合わせ、ハチミツ水を加えて混ぜた合わせてから、ふるいかけておく。
3.蒸し器に布巾を敷いて型を置き、松の実の粉の半量を下に敷きつめ、②の栗の粉の入った米粉を入れて残った半量の松の実の粉を上にふりかける。
4.沸騰した蒸し鍋に③の蒸し器をのせて強火で25分蒸してから火を消して5分蒸らして皿に盛り付ける。
(2018.12.26 民団新聞)