未来志向で困難克服…在日同胞の「大きな力」に期待 駐日本国大韓民国特命全権大使 李 洙 勲 |
同胞の皆さん、2019年、己亥年の新しい年が明けました。同胞の皆さん一人ひとりに心より新年のご挨拶を申し上げます。新年明けましておめでとうございます。 昨年は韓日関係の発展に画期的な転機をつくった金大中・小渕共同宣言20周年になる意義深い年でした。韓日両国はこれを契機として、両国関係が一段階飛躍できるようにお互い努力していこうとしましたが、過去の不幸な歴史と関連した問題により韓日関係が困難を伴ったことも事実です。 しかしながら、このような問題により、未来志向的な韓日関係の発展のための両国間の協力関係が傷ついてはなりません。大統領も何度か言及したように、韓日間の過去と関連した問題は知恵を絞って管理しながら解決策を模索していく一方、これとは別に経済、人的・文化交流、安保など、さまざまな分野での実質的な協力は深化・発展させていかねばなりません。 大統領は昨年、「世界韓人の日」記念式で、「在外同胞は大韓民国が持つ大きな力」であり、「在外同胞に対する政府の姿勢から新しくせねばならない」とおっしゃいました。私と大使館の職員は、皆さんが韓民族としての誇りを持って、日本の中で地域社会に寄与する一員として堂々と生きていけるように、さらに一生懸命努力していきます。同胞の皆さんは和合の精神をもとに、在日同胞社会が多様な構成員を含めて、民族的アイデンティティーを維持しながら成長・発展していけるように努力してくださることを願います。 今年は、日本植民地時代に独立闘争の精神的土台となった2・8独立宣言、3・1運動100周年であり、大韓民国臨時政府樹立100周年です。解放と国民主権をもたらした3・1独立運動と臨時政府樹立100周年の意味深い年に、韓半島が平和の時代により一層近づけるように、在日同胞の皆さんが積極的に声援を送り、支えてくださることをお願い申し上げます。 新年を迎えて在日同胞社会の発展と飛躍を期待しながら、同胞の皆さんすべての健康とともに、ご家庭のご多幸をお祈り申し上げます。 |
創団精神と理念継承…30年先の民団組織を模索 民団中央本部議長 朴 安 淳 |
多事多難だった戊戌年が過ぎ、希望に満ちた己亥年を迎え、皆様のご多幸とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。 日頃から地域社会で在日同胞の為に尽力されている皆様に、心から敬意を表します。 私達の願いは日本の社会で在日同胞の生活と権利が守られ、地域社会に貢献する一員として堂々と生きていけることであります。 しかしこの数年間、韓日関係は多くの困難がふりかかり在日同胞の生活に、そして日本社会に多くの影響を及ぼしたのも事実であります。 私達在日同胞は100年以上の歴史を持っています。そして過去には今以上の困難な時代がありました。先人達はその困難を知恵を使い、汗をかきながら仲間と協力して乗り越えてきました。その活動の求心体としての役割が民団でありました。 民団は在日同胞の尊厳と権利を守るために3機関制度のシステムを作り、独断を許さず、民主的な運営、公明性を守ってきました。創団73年という長い歴史を維持出来ましたのは民団組織を理論的、精神的に支える宣言、規約があったからこそではないでしょうか。現在民団はいくつかの問題を抱えているのも事実であります。 少子高齢化の中で、次世代育成、自主財源確立、組織幹部養成、そして祖国との信頼構築等、どれも喫緊に取り組むべき課題であります。これから30年先の在日同胞社会と民団組織がどうあるべきかを考えるとき、同胞家庭の状況と置かれた環境によって、考え方や生き方が千差万別であり、一つの考え方に納まりきらないのが今の在日同胞の状況であります。 一つの方向、考え方に集約しようとは思いませんが、いかに民団の創団精神、理念の継承ができるのか、難題ではありますが、皆様と共に前に進めていきたいと考えています。 |
公明正大の精神に基づき大切な「民団」を守る 民団中央本部監察委員長 梁 東 一 |
新年あけましておめでとうございます。新しい年が幸多き年でありますよう心よりお祈り申しあげます。 私たちを取り巻く内外情勢は不安定で、百年に一度の大変革期を迎えているといっても過言ではないでしょう。 在日同胞社会は今、韓国籍者、新規定住者、日本国籍者、重国籍者など、国籍構成は多様化しています。民団は在日同胞社会の唯一の指導団体として、多様化した在日同胞社会の和合と統合に努め、諸課題に取り組んでいかねばなりません。 まずは、南北首脳会談を契機に韓半島情勢は激変していますが、韓半島の平和体制の構築と地域の平和安定、祖国の繁栄に寄与していきましょう。 また、在日同胞の生活と権利を守るための人権擁護運動も大切です。特に、「ヘイトスピーチ対策法」の改正と地方条例の制定、地方参政権獲得に努力し、韓日友好の懸け橋としての役割を果たし、さらに、民団の自主財政の基盤構築、次世代リーダー育成など、民団再生のための組織改革事業を果敢に取り組んでいきましょう。 監察委員長就任から1年を迎えますが、「民団」は在日同胞にとって大事な組織であり、重要な存在であることを再確認しています。 今後とも、このかけがえのない「民団」組織を守り、前進していくためにがんばってまいります。 時代は今、大きく変化しようとしていますが、柔軟に対応すべきと考えます。監察機関として付与された責務と任務を真摯に遂行していきます。その際、民団の6大綱領と第7次宣言、規約・規定に立脚し、不羈独立、厳正中立、公明正大の精神に基づいて取り組みます。 民団発展のために貢献されている全国の団員の皆様に心より感謝を申し上げるとともに、今後とも民団組織への積極的な参与とご支援をお願い申し上げます。 |
草の根女性交流拡大 在日韓国婦人会中央本部 会長 朴 善 岳 |
全国在日同胞の皆々様、明けましておめでとうございます。 祖国解放から74周年が経ちますが、今年は日本にいる留学生達による2・8独立宣言と3・1万歳運動から100周年を迎えます。 先人たちの精神が土台となり、今日の大韓民国を築いてくれました。100周年を共に祝いましょう。 光陰矢の如しと申しましょうか。昨年の民団中央大会で、初めて3機関長全員、2世が就任致しました。呂健二団長の第一声は、「まず同胞の生活と権益を守る」と、力強いお言葉がありました。 私たち婦人会は頼もしく聞きながら嬉しく思いました。歴史を振り返ると、権益擁護運動、差別撤廃運動、法的地位向上、外登法改正運動、地方参政権獲得運動など、民団と共に歩んできた活動が走馬灯の様に思い浮かびます。 激変する韓半島情勢や韓日関係の悪化などによって、私たち在日同胞の生活を脅かす時を迎えていますが、婦人会は民団と共に韓日の懸け橋として草の根活動を全力で展開していきます。 |
全国商工人が一致団結…在日韓国商工会議所 会長 朴 義 淳 |
謹んで新年のお慶びを申し上げます。 当会議所は昨年、新執行部が構成されました。現在、会員企業、そして地方韓商の皆様のお役に立つために、どの様な提案ができるのか、また、何を求められているのかを確認しながら、事業を展開しております。 本年は、従来の事業に加え、未来を担う若手商工人との絆を深めることを重要なテーマとして捉えています。一方で、在日同胞経済人を取り巻く状況は厳しさを増しつつあります。この様な時こそ、先人たちの崇高な精神を胸に、在日同胞社会、地域社会の皆様と共に考え、共に行動し現状を打開していかなければなりません。 この難局を乗り越えるためにも、「団結すれば繁栄し、分裂すれば倒れる」という創立の精神に立ちかえり全国の商工人が一致団結していきます。 当会議所は本年も、会員企業の事業の持続的な発展に貢献できるよう尽力いたします。会員企業の発展は在日同胞社会の力となり、地域社会の発展、韓国と日本の関係強化に寄与できると信じております。 |
東京五輪で在日選手の躍進を…在日本大韓体育会 会長 崔 相 英 |
1988年のソウル五輪開催から31年。昨年の韓国は初の冬季五輪となる平昌五輪を成功裏に開催し、世界に誇るスポーツ大国として大きな発展を遂げました。 スポーツを通した祖国の躍進は、在日同胞にも深い感動を与え、民族の誇りを強く抱かせてくれるものであります。 在日のスポーツ界にも明るいニュースがありました。 柔道でリオ五輪にも出場した在日3世の安昌林選手が、9月に行われた世界選手権で見事に優勝しました。 在日選手が五輪種目で世界大会に優勝するのは史上初めての快挙であります。 そして、彼の活躍に刺激を受けた若い選手たちが2020東京五輪出場を目指し、ハードなトレーニングに励んでおります。 本会ではこうした在日アスリートの活躍を願い、韓日両国にとどまらず、世界へと羽ばたく青少年を育成し、多くの選手が世界の舞台で活躍できるよう、全力でサポートしていきます。 本年も皆さまのご支援ご声援を宜しくお願い申し上げます。 |
青年世代の活性化へ…在日韓国青年会中央本部 会長 朴 裕 植 |
昨年は地震や台風など多くの自然災害に見舞われた1年で、被災された方々には心からお見舞い申しあげると共に復興に尽力されている皆様には安全に留意されることをお祈り申し上げます。 青年会は、1世の歴史、2世の思いを胸に、新たな在日同胞としての歴史をリスタートする立場にあります。中央本部42年の歴史を礎に、確かな未来を築いていく年とします。その歴史を継承する責任世代の私たちこそが、新たな挑戦を怠ってはならないと誓います。 青年世代として、世代交代を含む、あらゆる環境面での変化への対応が求められています。とくに韓半島にルーツを持つ意義を我々自身がどう実感して体現していくのか、祖父母、父母が築いてきた韓日両社会の発展を我々がいかに進化させていくかが、今後の最重要テーマと考えています。 青年会は各種事業と行事を通して、青年個人の成長を互いに高めあいながら、青年世代の活性化を推進します。まだまだ、学びや気づきが足りない若輩ですが、変わらぬご指導・ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。 |
護国精神、永遠に不滅…在日学徒義勇軍同志会 会長代行 王 正 男 |
北韓軍の奇襲南侵により勃発した韓国戦争で首都ソウルも陥落、釜山近くの洛東江戦線まで後退し「風前の灯」のような危機に瀕した時、当時学生であった青年学徒642人が自願参戦し、熾烈な戦闘で135人の同志が犠牲となりました。 仁川上陸作戦及び中西部戦線で戦死した52人の遺骨は1963年にソウル国立墓地に移葬されましたが、長津湖戦闘で戦死した学徒義勇軍同志83人は残念ながら遺骨さえ発見出来ず、93年3月24日付で83位の戦死者位牌をソウル国立顕忠院に安置されました。 本会は長津湖戦闘で戦死した83人を含む135人の英霊を弔うため、2015年から毎年11月11日に、民団中央本部の後援の下、韓国大使館と共に慰霊祭を営んでいます。 「Freedom is not Free!」(自由は決してただでは得られない!) 祖国があってこそ自分も存在するという韓国の一念で命をかけて戦った在日学徒義勇軍の愛国精神と護国精神は永遠に不滅であり、私たち在日同胞の貴重な遺産であると信じています。 |
学び、伝え、考える…在日韓国学生会中央本部 会長 張 在 勛 |
昨年、多くのニュースがありましたが、印象的だったのが「平昌五輪」や「南北首脳会談」ではないでしょうか。私たち学生会も私が会長に就任した3月から様々な出来事がありました。 3月の学生会中央大会から12月の冬季懇親会まで、様々なイベントに多くの会員が参加し、会内でのイメージを大幅にアップできた一年でもあり「居心地のよい会を作る」が目標だった私としても大きな成果を果たせたと思います。 ただ、自分のルーツやアイデンティティーを知らない学生がまだまだ多いのが現状です。そこで11月にとことん楽しく、在日について学ぶイベント、「在日学生フォーラム」を開催しました。 学生が求めるニーズが昔とは全く異なる現在、学生は学生らしく、まず同じルーツを持つもの同士が集うを提供し、そこから「繋がり」を作り、学び、伝え、考える意識を広げていくことが大切と考えます。今年は2・8独立宣言と3・1独立運動から100年を迎える年です。私たち学生会も先達の歴史や「今」を様々な方面に広く伝えていこうと思います。 |
21世紀の担い手に…在日韓国科学技術者協会 会長 朴 載 源 |
世界は目下、第4次産業革命が進行中です。18世紀の第1次産業革命から始まった人類の繁栄は、21世紀の今、現実世界とサイバー世界のあらゆるものがネットワークで繋がる超連結社会の実現が担っています。すなわち、ICTを中心にした科学技術のイノベーションで、多分野の科学技術者が担い手となり、限りなくグローバルに、急速で際限なく発展し続けています。 科学技術における成功は常に世界的な評価を受けています。在日同胞社会にはそのような科学技術者がいます。ノーベル賞受賞研究に貢献した者、国際的な賞や韓国の学術院賞、日本の文部科学省や経済産業省の大臣賞、専門の学会賞などを受賞した者に加えて、イノベーションに果敢に取り組むベンチャー事業で成功した技術者などです。 これらの高い評価は本人に対するものであると同時に在日同胞や韓国に対する評価であり、彼らを育てた日本に対する評価でもあります。本会は科学技術者集団として、関係機関との連携を深めより豊かな同胞社会のため、韓日友好促進のため尽力します。 |
在日の人権擁護へ貢献…在日韓国人法曹フォーラム 会長 李 宇 海 |
昨年8月、会員弁護士2人を含む、民団中央人権擁護委員会のメンバーが国連人種差別撤廃委員会に派遣されました。その結果、「日本に数世代にわたり居住する在日コリアンが地方選挙権を行使できるよう確保するべきである」との勧告を得ることができました。これは、日本における永住外国人の政治参加についてはじめて得られた国連機関の勧告であり、少なからぬ歴史的意味を有しています。 法曹フォーラムはこうした在日韓国人の政治参加の問題をはじめ、国籍をめぐる人口動態や排外主義とその対抗運動について、昨年5月には広島県本部で、10月には茨城県本部で法律・人権セミナーを開催し、微力ながら啓発活動、情報の提供に務めてきました。 日本国籍同胞や韓日ダブルの子の増加、総体的な同化傾向の深化など、在日同胞社会は複雑化し、混迷し続けています。全国団員の皆様ともに考えながら、私たちも法律家として在日同胞社会に貢献していく所存です。在日同胞の人権にとって、一歩でも前進する年であることを祈念します。 |
同胞経済支え共存共栄…在日韓国人信用組合協会 会長 呉 龍 夫 |
昨年の日本経済は、緩やかな景気拡大が続きましたが、金融機関は日銀のマイナス金利導入等、金融緩和政策が続くことにより収益力が低下し、苦しい経営を強いられてきました。これを乗り越える一つの手段として地方銀行はじめ信金、信組の再編の動きが全国各地で見られております。 当協会が数年前から積極推進した会員組合の合併・統合は一昨年末に一段落し、現在は4組合になりました。各組合の経営規模はより大きく、営業地域も最盛期の39組合の時よりも広くなり、日本全国44都道府県にまたがっております。 当協会では、数年前から会員組合経営力強化委員会を通じて会員組合間の情報・意見交換を行うなど業績向上、特に収益増強に地道に取組んできたことで、預金・貸出金が大幅に増加し、収益力も着実に改善され、昨年9月仮決算まで3期連続黒字を計上しました。 今年も引き続き在日同胞社会や地域の経済を支え、共存共栄できるよう全力を傾けます。 |
韓日経済協力へ邁進…在日韓国人本国投資協会 会長 金 和 男 |
旧年中より私ども在日韓国人本国投資協会にひとかたならぬご愛顧を頂き誠にありがとうございました。 民団をはじめ在日同胞関連団体の皆様、そして当協会の会員社の皆様に、旧年賜りました一方ならぬご厚情に心より感謝申し上げます。 最近の韓国経済は設備や建設などの投資を中心に成長の勢いが弱まり、下降局面に入ったと指摘され、短期間で改善は難しいと予想されています。 活発な成長を見せていた世界経済も今後、米国や中国、ユーロ圏など、政治的、経済的に不確実性を帯びており、次第に緩やかに下降するものと見られます。 このような状況の中で、当協会は昨年、東京で本国投資説明会を開催するなど、様々な方面で韓日経済への協力のイベントを邁進して参りました。 本会は今年も相変わらぬ、在日同胞の皆様の本国への投資および事業、青年の就職や学業のための支援に渾身の力を尽くして参ります。 |
より成長する銀行に…新韓金融グループ 会長 趙 鏞 炳 |
昨年、新韓金融グループは2020年までに「アジア先導金融グループ、新韓」へと飛躍し、ビジョンである「ワールドクラス・ファィナンシャルグループ」に近づくことを目標に全力推進しました。その結果、グローバル、デジタルなどグループ事業部門の拡大をはじめ、確固たる成長基盤をつくりました。 在日同胞の皆さんの惜しみない応援のおかげで、SBJ銀行も設立以来、注目すべき成長を続けています。これからも革新的な商品とサービスを通じて市場の先導者として飛躍し、常に身近な銀行として成長できるよう、尽力します。 新韓金融グループ成長の土台は36年前、韓国の金融に新たな風を吹き起こし母国の経済発展に尽くしたいとの在日同胞の創立株主たちの崇高な志でした。また後押し頂いた皆さんの愛情です。新韓2万6000余りの役職員はそれを心に深く刻んでいます。合わせて在日同胞社会の団結と発展に貢献できるよう、渾身の力を尽くします。 |
(2019.01.01 民団新聞) |