掲載日 : [23-02-01] 照会数 : 1209
日本に住む韓国国籍同士の離婚について
Q:日本に住む韓国国籍同士の離婚について
離婚には夫婦双方の合意で成立する協議離婚と、一方が訴訟を起こして離婚を求める裁判離婚があると聞いています。韓国国籍の夫婦が協議離婚をするときに、具体的にどのような手続きを取る必要があるのでしょうか。また、韓国国籍と日本国籍の夫婦の場合はどうなるのでしょうか。協議離婚ではなく、裁判離婚の場合についても教えてください。
A:まず最初のご質問ですが、韓国国籍の当事者が共に日本に居住する場合、管轄の韓国領事館で優先的に離婚申告をし、その後離婚証明書を日本の区役所に提出します。日本の役所に協議離婚届を提出するだけでは、韓国法上も有効な離婚と認められませんので、注意してください。
当事者が居住地の管轄領事館に問い合わせをすると、協議離婚意思確認申請書の提出など、離婚に関する書類及び手続き案内をして、当事者が共に出席が可能な期日を協議離婚意思確認期日に指定して領事との面談予約をします。
領事との面談後、申請書類などはソウル家庭裁判所に送付されて熟慮期間(1ヵ月、未成年子女であれば3ヵ月)の経過後、家庭裁判所の判事が作成し領事館に再び送ってきた離婚意思確認書を受領、これを添付して最終的な離婚申告が可能になります。
この時、当事者が提出する添付書類は共通書類と追加書類(未成年者がいる場合)に区分することができますが、共通書類は、当事者の身分証と印鑑を持参すると領事館でいずれも発給・作成が可能です(ただし、本人の住民登録番号や、本籍地の住所を知っていなければならない)。
未成年子女がいる場合の追加書類では財産関係の証明書類(源泉課税証明書または非課税証明書)を税務署などで発給を受け持参しなければならず、残りはすべて領事館で作成が可能です。
次に二番目のご質問ですが、韓国人と日本人夫婦の場合、日本の役所や韓国領事館のどちらを優先させても協議離婚申告が可能ですが、手続きが簡易な日本法によって先に日本の区役所に離婚申告をした後、その証明書と翻訳文を韓国領事館に提出し、韓国の家族関係登録簿でも離婚整理をするほうが便利な方法です(各自身分証と印鑑持参が必要)。
最後に三番目のご質問ですが、協議離婚と裁判離婚の比較をすると、裁判離婚の手続きは、韓国国籍の夫婦でも日本の家庭裁判所での調停や裁判等を利用することが可能であり、上記の通り、韓国国籍同士の協議離婚手続きでは領事館での手続きが必要になりますが、日本での裁判や調停における確定判決、審判、調停調書などがあれば、日本の役所でも韓国領事館でも、その判決文等と翻訳文を提出すれば離婚申告が受理されますので、協議離婚の場合に領事館を利用するのが難しい場合などには日本の家庭裁判所での調停離婚を利用することも一つの方法であると思われます。