掲載日 : [2017-03-22] 照会数 : 5995
韓国の昔話「金剛山のトラ」を出版…力強く、楽しい物語
[ 再話=クォン・ジョンセン
絵=チョン・スンガク
訳=かみや にじ ] [ 高木理恵さん ]
父親の敵を討つためトラに立ち向かう少年の姿を描いた韓国絵本『金剛山のトラ』が6月、本国に先立って福音館書店から出版される。韓国版は今後出版される予定。
同書は、韓国の児童文学作家、権正生(クォン・ジョンセン)さんが、語り継がれてきた昔話を再話したもの。日本でも共感を呼んだ絵本『こいぬのうんち』で知られる権さんは、2007年死去。『金剛山のトラ』は遺作になった。
母子家庭で生まれ育った少年、ユボギが主人公。ある日、母から腕利きの猟師だった父が金剛山のトラに呑み込まれたと聞き、何年も体を鍛えて、知恵と勇気でトラを退治するという物語だ。
福音館書店は、韓国をはじめとする外国の絵本に力を入れてきたことで知られる。同社書籍編集部絵本セクションの高木理恵さんは「2000年以前から、韓国の無骨な昔話で絵本をつくることは、編集部の望みだった」と話す。
『金剛山のトラ』の出版は、前絵本編集部編集長の黒住恵子さんが企画。また韓国の絵本に造詣が深かった現在、相談役を務める松居直さんが当時、絵本作家のチョン・スンガクさんらと交流を深めていたことから実現した。
高木さんは「ひとりで戦いにいくという男らしさと力強さのある昔話です。お隣の国に、こんなに楽しいお話があるんだということを知ってもらいたい」と話している。
(2017.3.22 民団新聞)