韓日国交正常化60周年記念フォーラムが10月15日、東京都内で開かれ、李赫駐日大使をはじめ首都圏の民団幹部や傘下団体、韓日の関係者約260人が出席した。元日本外務省事務次官の基調講演、両国の学者と在日ジャーナリストのパネルディスカッションなどを通じて、これまで60年の韓日関係、今後60年、100年の韓日関係を展望し、民団組織の在り方などを議論した。民団中央本部が主催し、在外同胞庁が後援、人権擁護委員会と日韓親善協会中央会が協力した。
金利中団長は「韓日国交正常化60周年を迎えた。この間、両国関係は紆余曲折があったが、今や1200万人の人的往来の時代になった。李在明大統領は『韓日関係が悪くなると在日同胞が苦労する。歴史問題は歴史問題として、少子高齢化問題や経済問題など両国の共通課題をともに解決すべきだ』と語った。今日を期して未来志向的な韓日関係の新たなスタートを切ろう」と強調した。
李大使は「このたび駐日大使館に3度目の勤務になった。民団中央本部の朴炳憲、辛容祥、鄭進団長時代に共に活動した。基調講演の杉山晋輔外務次官とは、駐韓公使時代に親交があり、河村建夫日韓親善協会中央会会長は一貫して韓日親善のために大きな貢献をしてきた方だ」と旧知の関係を紹介した。続けて「国交正常化当時わずか2億㌦だった両国の貿易額は、昨年775㌦と380倍以上になった。両国首脳のシャトル外交のみならず、少子高齢化や防災、自殺予防など韓日に共通する社会課題を解決する両国の協議体も発足した。良好な関係を後退させず、揺るぎない発展を継続させよう。在日同胞は韓国の歴史そのものであり、在日外国人のモデルだ。日本における責任ある存在として努力を」と期待を込めた。
河村会長は「民団と手を取り合って各地の草の根の親善活動を続けてきた。京都国際高が甲子園でハングルの校歌を歌った。在日が頑張った証拠であり、日韓共生社会の象徴だ。60周年を契機に国民と国民の力で友好関係を前進させ、日韓パートナーシップ宣言をさらなる高みに」と訴えた。
基調講演は杉山元外務事務次官が「トランプ政権と日韓関係」をテーマに「韓国との外交は日本外交の一丁目一番地だ」と前置きした上で「1910年の併合条約について、韓国は一貫して合法と認めていない。今の国際法では認められないが、日本は不法と思わず、法律上は有効だと思っている。決して変えられない互いの立場を、違いを違いとして認め、先に進めていく。これが外交の本質だ。これまで両国の先人は知恵で違いを乗り越えて来た。狭い二国間に留まっていてはならず、国際主要会議に出席し、米国に対しても物言う時は物言うべきだ」と問題提起した。
パネルディスカッションは朴一大阪市立大学名誉教授をコーディネーターに、木宮正史東京大学名誉教授、金慶珠東海大学教授、姜誠ジャーナリストが登壇した。
木宮教授は「80年まで両国の関係は優位な日本、劣勢の韓国であり、政治と経済関係が日韓関係のすべてだった。90年以降、韓国の民主化を背景に『ヒト、モノ、情報、関心』の流れが変わった。北韓問題や少子高齢化問題など共通課題もある。悩みを共有し、知恵を出し合わなくてはならない。双方が国益を追求するとぶつかる。両国の利益が双方の利益になる域内益を追求すべきだ」と語った。
金教授は「13年以降メディア環境が変化し、SNSなどが中心になった。日本の10代中心の若者が韓国のファッション、コスメ、フードを楽しむ。日本に来る韓国人の6割が20代~30代でリピーターだ。政治と文化が分離する『政文分離』になっている」と述べた。
姜氏は「両国関係のいいニュースは視聴率、購読者数が伸びない。喧嘩すると数字がアップする現実がある。両者の言い分に耳を傾ける、双方をマネージメントする人が必要で、その役割が民団にある」と結んだ。
同フォーラムのフルバージョン動画は後日、民団中央本部ホームページで公開予定。
(2025.11.3 民団新聞)