今年1月から同胞機関に就職し、社会人生活がスタートしたS君。仕事始めは同胞機関の新年会廻りだった。週末は休日返上で東奔西走。そんなS君の一言は、「同胞社会は日本社会と違う。実に社会勉強になる」
宴会の席にはお酒がつきものだが、上司か大先輩ばかり。緊張が連続する。
「あの先輩はグラス半分程度で、あの先輩は空になるまで注がない。よく覚えておくように」
大先輩のアドバイスを聞いてはいても、なかなかうまくいかない。体育会系出身のS君、韓国にも語学留学し飲食店でも長くアルバイトをしていただけに宴会・飲み会のマナーは心得ていたつもり。
①注文しやすい下座に座る②乾杯は皆に合わせる③上司・先輩の飲み物の残量には常に注意を払う④料理を取り分ける⑤場を盛り上げる努力をする。そして、一番重要なことは「飲んでも翌日はビシッとする」。しかし、これに同胞社会というか、韓国人社会のマナーが付け加わる。①目上の人からお酒を注いでもらうときは両手で。正確には左手を右脇下に②乾杯でグラスを合わせるときは相手より一段低くする③乾杯したら後ろを向いて飲む。酒豪たちとの宴会では④爆弾酒を華麗に製造する。
そんなこんなで、二次会にも連れていかれるが、これもまた日本人社会とは勝手が違う。飲み物もつまみも、いや料理もたっぷりまとめ注文。卓上のスペースは次々と埋め尽くされていく。そんな席で「じゃんじゃん食べなさい」と言われても、社会人になると学生時代のノリで「ガッツリ」と飲食するわけにはいかない。とほほ…。
S君、これからまだまだ続きます。「同胞社会人修行」(Z)
(2013.1.30 民団新聞)