掲載日 : [2020-07-08] 照会数 : 4997
世界に3点だけ現存 高麗時代の螺鈿漆器
[ 「高麗螺鈿菊唐草文盒(箱)」 ]
日本から里帰り
文化財庁
年末公開
文化財庁は2日、高麗時代の螺鈿漆器「高麗螺鈿菊唐草文盒(箱)」=写真(韓国文化財庁)=を昨年12月、日本から入手したと発表、この日ソウルの古宮博物館でメディアに公開された。
世界に3点しかない高麗時代の母子盒(大きな盒の中に小さな盒が入ったふた付きの入れ物)の一つで、幅は約10センチ、重さ50グラムと小ぶりな螺鈿盒で、母子盒と呼ばれる大きな入れ物の中に収められていた小さな5つの「子盒」のうち、中央の子盒を取り囲む4つの子盒の一つで、完全な形を維持している。
この螺鈿盒は日本の個人コレクターから購入したもので、国外所在文化財財団が昨年2月から説得を続け、12月に買い取ったという。
高麗螺鈿漆器は青磁、仏画とともに高麗の美を代表する最高の工芸品とされる。現存するのは20点程度で、その多くを米国と日本の主要博物館が所蔵している。
韓国には国立中央博物館に2点あるだけだった。
今回韓国に戻ったものと文様が同じ螺鈿盒は、米ニューヨークのメトロポリタン美術館と日本、京都にある寺院がそれぞれ1点所蔵している。
この螺鈿盒は国立中央博物館で今年12月22日から来年3月7日まで開催の特別展「古代の輝き、漆塗り」で公開予定。
(2020.07.08 民団新聞)