【岐阜】民団岐阜本部(董勝正団長)は6日、岐阜市内の同本部会館で脱北者を招いての講演会を開催した。愛知や福井からの団員も含め約130人が参加。駐名古屋総領事館の朴煥善総領事も参席した。
講演したのは金正雄さん(38、仮名)と、妻の金順子(40、仮名)さん。金順子さんによれば、90年代に配給された食糧は1日あたり馬の餌400㌘ほど。肺炎や結核に罹患しても治療薬はない。犯罪者のように隔離され、回復しなければ生き埋めにされたという。
なかでも、当局の指示に従って両親の墓を掘り起し、平地にせざるをえなかったことは、いまでも金さんの心の重荷となって、苦しめ続けている。参加者たちは、「信じられない」といった面持ちで、熱心に聞き入っていた。
董団長は、「今日の講演が、テレビや新聞ではなく、脱北者の生の声を聞き、北韓の実情をしっかりと知ってもらうきっかけになれば」と話していた。
(2015.6.10 民団新聞)