東北から全国巡回
【宮城】ヘイトスピーチの根絶に向けた婦人会中央本部(朴善岳会長)の決起大会が3日、東北地協会場を皮切りにスタートした。最後の関東地協(7月1〜3日、群馬県草津温泉)まで全国を6カ所に分けて巡回し、会員の意思統一を図っていく。延べ参加者は最終的に2000人をめざしている。
今回の決起大会は、婦人会中央本部としては年間最大行事のひとつ、全国大研修会の場を借りて行われた。東北地協研修の会場となった仙台市の秋保温泉には地元の宮城をはじめ北海道、青森、秋田、岩手、山形、福島の1道6県から約150人が参加した。
朴会長は「外国ではヘイトスピーチを犯罪とする国もある。その意味で日本はまだ、成熟した民主主義国家とはなりえていない。婦人会は日本社会との共生をめざし、断固とした姿勢でヘイトスピーチの根絶に向けて努力していく」と決意を表明した。決起集会では人種差別・民族差別を煽るヘイトスピーチを「許さない、根絶させるぞ」「規制する法律を速やかに制定しろ」などとするシュプレヒコールを全員で繰り返し叫んだ。
決起集会を前にした2日の開会式には、民団中央本部の呉公太団長をはじめとして宮城の田炳樽団長、山形の車寿鎔団長らが駆けつけ、参加者を激励した。
呉団長は「排外主義的な嫌韓集団の勢いには陰りが見られる。世の中は法規制に傾きつつあり、流れはわれわれの味方だ。ヘイトスピーチを根絶するまでは決して手を緩めてはならない。皆さんの協力をお願いする」と呼びかけた。また、来賓の梁桂和駐仙台総領事は草の根レベルでの民間交流が重要と強調した。
研修会ではアシアナ航空で要職を歴任してきた権鎔大氏、在日韓国科学技術者協会の洪政國前会長、民団中央人権擁護委員会副委員長でもある鳥取本部の薛幸夫団長が講義に立った。
席上、朴会長から婦人会活動で顕著な業績を残した金吉子・前婦人会北海道本部会長に感謝牌が贈られた。このほかの7人にも感謝状を手渡した。
11日からは中北地協研修が三重県鳥羽市で開かれる。
(2015.6.10 民団新聞)