掲載日 : [2020-01-29] 照会数 : 7018
趙善玉の「飲食知味方の世界」ピョルミ
格別に美味なもの
今回、紹介する「ピョルミ」は、「格別に美味しい物」という意味になります。料理の写真をご覧になった方は、どんな味だろうと思われるでしょう。
作り方は鶏肉と干した真鱈を頭ごと鍋に入れ、たっぷりの水で煮て、肉と魚の身がほぐれ豆腐くらいの固さにまで煮詰めたら、真鍮の器に入れて固めます。これをスプーンですくって醤油タレで食べます。
『飲食知味方』の著者である張桂香先生は朝鮮時代の両班の奥様です。来客が多い家で、本書には51種類の酒の造り方が記されています。当時の上流階級では、主婦にとって酒造りは重要な仕事だったことが分かります。そしてお酒と相性の良い肴を出すことは、主婦の腕の見せ所だったに違いありません。この「ピョルミ」は格別に美味しい肴の一つだったのでしょう。
現代の韓国では、「ピョルミ」は家族全員が好きな料理を意味します。私の実家では、家族全員で作った小豆の汁のカルククス(うどん)でした。皆さんの家のとっておきの「ピョルミ」はどんな料理ですか。
◇材料(4人分)
鶏肉1.5㎏、干し鱈65g
<ヤンニョム>醤油大さじ2、ゴマ油大さじ1、スライス生姜3g、胡椒適量、山椒適量
<タレ>醤油大さじ1、酢小さじ1
◇つくり方
1.鶏肉の内臓を取りきれいに洗い、干し鱈はひれを切って軽く洗って鍋に入れ、浸る程度の水を入れてじっくり煮込む。
2.①にヤンニョムを入れ、さらにじっくり煮込む。
3.②をよく煮込んだら、骨を取り除き、身がほぐれるくらいまで煮込む。
4.③を器に入れて冷やしてタレを添えて出す。
(2020.01.29 民団新聞)