波乱に満ちた人生 三十一文字に刻む 今年、韓国映画「金子文子と朴烈」が公開された。大正時代に関東大震災後の混乱の中で検束され、大逆罪で死刑判決を受けた二人の出会いと裁判での闘いを描く。検束当時、彼らは21歳と20歳。死刑判決の直後、恩赦により無期懲役となった。朴烈は検束から23年...
キジ肉か鶏肉か 「コンコギ(キジ肉)」漬物シリーズの2品目は「コンコギチャンジ」です。今回は塩漬けきゅうりを細切りにし、それと同じぐらいの太さに切ったキジ肉を炒めた物で、これもキムチと呼びます。この料理を出すと皆さんから、「これは本当にキジ肉ですか」とよく質問されます。 私...
江戸で「国書伝達」の日を待つ 朝鮮通信使は、東海寺から歩いて40分ほどの位置となる江戸府内の入口「高輪の大木戸」を通り、江戸の宿館・本誓寺(ほんせいじ)に向けて華麗な行列を披露している。 この寺は、幕府の御用を務める寺であった。ガイドブックには、大江戸線「...
湯けむりの中で 時の流れの重み感じ 釜山にも寒い冬が近づいてきた。これからの季節、テゲ(ズワイガニ)やポッ(フグ)が美味。旬の味覚を目当てに釜山を訪れる人も多い。そして、冬は温泉もおすすめだ。東莱、海雲台、広安里、影島、松島と、市内随所に温泉が湧く。 なかでも、金...
キジ肉の塩水漬け 今回から「コンコギ(キジ肉)」漬物シリーズをご紹介します。最初の一品は、キジ肉のキムチ「コンコギキムチポッ」です。『飲食知味方』には塩漬けきゅうりの皮をむき、種を取り、きゅうりと同じぐらいの大きさに切ったキジ肉と一緒に温かい塩水でナバッキムチのように漬けると記されています。...
特設の船橋で六郷川渡る 朝鮮通信使は、小田原宿から神奈川宿を出て六郷渡しに向かった。 時代は慶長5年(1600年)のこと、徳川家康が六郷川(多摩川の下流部分)に、六郷大橋を架けたのであるが、元禄元年(1688)の大洪水で橋は流されてしまった。幕府は架橋を掛...
新羅の遺跡金冠塚の宝物 住民がソウル移送を阻む 慶州に在住する研究者という立場上、知り合いの大学教授などから学生の引率で慶州へ行くので、学習に役立つところを案内してくれないかという依頼を時折受けることがある。今年の秋は2回金冠塚を案内した。 慶州市街中心部にある金...
卵、貴重な薬代わり 今回は、「ケランタンポッ」という、お湯の中に卵を入れて作るポーチドエッグです。皆さんの中には、急な寒さで風邪をひいて、滋養のあるものを食べたいと思う方がいるかもしれません。卵は免疫力を高めるたんぱく質が豊富で、栄養価も高いことから朝鮮時代は薬の代わりとして食べられていました。
本当の友人に…いま残る宿題 「毎日4時間、韓国語を学ぶ生活。進み方は早く、まだ7日ほどだけど英語で言えば中学校の教科書を半分ぐらい終えたレベルだ」 文章の日付は、1994年10月14日。淡いピンク色の延世大学のノートに記されているのは、語学堂留学日記。そう、私が韓...
具材に野菜や小豆 今回は「サンファポ」です。小麦粉にマッコリのようなお酒を加え、発酵させた生地に具材を入れて蒸した物です。お酒を加えて蒸す韓国餅に「チュンピョン」がありますが、具材は入りません。韓国には「チンパン」という、お饅頭のようなものがそれに似ています。 チンパンと...