掲載日 : [2020-04-11] 照会数 : 12002
韓信協「同胞へ支援展開」…民団がつなぎ資金を要望
[ 韓信協の呉龍夫会長(左)に同胞企業体への支援を要請する呂健二団長(右から2人目)ら ] [ 韓信協の呉龍夫会長(右から3人目)に要望書を手渡す呂健二民団中央団長 ]
コロナ対策でトップ会談 返済猶予や金利優遇
新型コロナウィルス感染拡大の影響で同胞の事業体への影響が深刻化しているが、民団中央本部の呂健二団長は9日、韓信協(在日韓国人信用組合=呉龍夫会長)の呉会長と面談し、同胞企業体に対する円滑なつなぎ資金の供給、元金返済猶予などの支援を求めた。あわせて近畿産業信用組合にも同様の要望を行った。呉会長も「同胞社会経済の血液循環の役割を果たすのが韓信協。全会員組合にも呼びかけ、同胞への応援を惜しみなく展開していく」と応えた。
この日、民団からは呂中央団長のほか、金利中副団長、李壽源東京団長、李順載神奈川団長らが横浜幸銀本店を訪れた。
7日、日本政府が緊急事態宣言を発表した際、中小企業・個人事業主向けの支援策として、中小企業200万円、個人事業主100万円の「持続化給付金」による現金給付策などを発表した。ただ、手続きの複雑さや給付の時期などの関係もあり、いわゆる「つなぎ資金」など、適時の供給が求められている。
民団の主な要望は①資金繰りの積極的な相談受け付け②円滑な「つなぎ資金」など、適時の必要資金の供給③一定期間の元金返済猶予の柔軟対応④返済期間の延長や金利優遇措置などの柔軟対応⑤公的支援策の窓口として同胞企業体の補助などだ。
呂団長は「遊技業、外食業や自営業の同胞が多いが、売り上げが激減し、死活問題になっている。すでに取り組んでいると思うが、韓信協の各会員組合が同胞の各事業体を元気づけ、同胞社会の経済を守っていくためにも、特に深い相互理解と協力関係を築いている韓信協の協力が必要」と力説した。
呉会長は「100%と言ってもいいほど、同胞の先輩たちに各信用組合を育てて頂いた。同胞あってこその韓信協。地域と共に生きていくために存在するのが信用組合だ」としながら、「このような困難な時こそ、何をすべきなのかを痛感している。惜しみなく支援をしていく」と応えた。
あわせて「韓信協会員各信用組合にも応援対策を呼びかけている」と付け加えた。
横浜幸銀信用組合の理事長でもある呉会長によると、この1週間で横浜営業管内だけでも、返済方法変更や緊急融資などの相談が150件以上、申し入れがあったという。
横浜幸銀では2日から、「新型コロナウイルス緊急対応ローン」商品を講じている。金利は1・5%と下げ、最高1億円まで。対象は新型コロナウイルスによる業況悪化により、資金繰りに影響を受けた方、または、影響が予想される事業を営む法人と個人事業主。期間は9月末まで受け付ける。
あすか信用組合(金哲也理事長)でも、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けている法人・個人事業主の顧客に対し、返済方法の変更や融資相談などの専用相談窓口を各店舗に設置している。
近畿産業信組にも
同様の要望は、7日に日本最大の信用組合でもある近畿産業信用組合(大本崇博理事長)にも打診している。同信用組合では広報紙の「きんさん新聞」を通じて、融資保証対象拡大、抽象への無利子、無担保融資など、日本政府の「資金繰り支援」などの緊急支援対策を分かりやすく紹介している。
徳山明夫副理事長は「いち早くお客様の状況を把握し、公的支援策のサポートや資金繰り支援等を行うべく、引き続きお客様に寄り添い、中小・零細企業の皆様と共に汗を流し、この難局を乗り越えて参りたい」と支援の意向を示していた。
(2020.04.10 民団新聞)