掲載日 : [2023-04-12] 照会数 : 10352
〈寄稿〉「誇りある在日の矜持」と真逆の言動
どこまで民団・同胞を貶めるのか
「陰謀論」止めぬ「正常化委」・「求める会」主導者
朴容正・民団中央本部副議長
呉公太「臨時大会開催を求める会」共同代表(前民団中央本部団長、任泰洙中央団長候補選挙事務所選対本部長)、李壽源・民団東京本部団長(旧「民団中央正常化委員会」代表)らは、2021年4月6日終了の第55回定期大会での中央3機関長正式選出直後から、この2年間、終始「密室での3機関長選出」「選挙管理委員会が規約解釈を捻じ曲げて独善的に団長を選出したのがそもそもの(民団)混乱の発火点だ」などと、真っ赤な嘘をつき、「陰謀論」を唱え、フェイクニュースの対内・対外発信を続け、民団組織・同胞を貶めてきました。
この人たちは、その一方で「誇りある在日同胞の矜持をもって、民団の自由と民主主義を必ずや堅持していく」などと強調しています。本当に「誇りある在日の矜持」を持っているならば、民団の基本ルールである規約を遵守しこそすれ、「陰謀論」などを吹聴することはないはずです。そもそも「陰謀論」は「自由・民主主義」堅持とは対極にあります。しかし、「正常化委」・「求める会」の主導者は、責任転嫁・自己正当化のために、「陰謀論」を唱え、早くから韓国国内に向けてのフェイクニュースの発信に力を入れてきました。民団中央・組織の現況について事実を歪曲した対外的な情報発信が、韓国国民をして民団への理解・認識を誤らせ、民団組織・同胞を貶めかねないことを、一度でも考えたことがあるのでしょうか。
これまでこの人たちは「陰謀論」に基づいた、まったく事実と異なるでたらめで、民団組織・同胞を貶める無責任な「作文」である韓国の「聯合ニュース」(21年12月25日)などを「求める会通信第2号」(22年1月17日付)の一面のほぼ全部をつぶして大々的に転載してきました。同「聯合ニュース」は、呉公太前民団中央本部団長が主導する「正常化委」側の一方的虚偽主張をうのみにし、民団中央大会・組織運営があたかも非民主的でいい加減なものであるかのように報道。韓国国民に誤った民団像を伝え、民団組織・同胞を貶めるものでした。このように民団組織・同胞を愚弄するも同然の記事を、「求める会通信」は、自分たちの主張する「陰謀論」の「正当性」を裏付けるものであるかのように、大書特筆して転載したのです。(「民団・同胞を貶める『聯合ニュース』記事転載」別掲)
そして、いまだに全く同様な主張を繰り返しているのです。たとえば、今年2月13日付「求める会通信第11号」でも、「選管が選出した呂団長/投票ではなく、選挙管理委員会によって選出された呂団長に対し、『なぜ信任を受けないのか』との声は今も全国的に根強い。/規約では問題とならない任候補の過去の経歴にケチをつけて立候補資格を取り消し、呂健二候補が『単一候補になった』ので開票を行うことなく選出するとの措置を取った。/中央委員・代議員らの意思(投票)はシュレッダーにかけ、規約解釈を捻じ曲げて独善的に団長を選出したのがそもそもの混乱の発火点だ」――などと、執拗に嘘をつき、「陰謀論」を流すことによって、民団組織・同胞を貶めて、平然としているのです。
そもそも、「任候補の過去の経歴にケチをつけて立候補資格を取り消した」というのは真っ赤な嘘です。第55回定期中央大会に際して任泰洙団長立候補者および呉公太・同選挙対策本部長(当時)が、選挙運動期間中および「郵便投票」期間中、そして定期中央大会開会中も、「恐喝未遂事件とは全く関係ないことが判明し無実で不起訴になった」と嘘をつきとおし、全国の中央委員・代議員ら有権者を欺いてきたことが「混乱事態」の発端です。
定期大会終了の翌日には、呉公太前中央本部団長の主導により李壽源東京本部団長を代表とする「正常化委」を発足させ、問題をすり替え、詭弁・虚言を弄してフェイクニュースを発信。中央委員・代議員らを欺き、地方本部を巻き込んで「民団の混乱・分裂」を吹聴・扇動してきたのです。その後、同年12月に「求める会」を発足させ共同代表となった呉公太前中央本部団長は、李壽源東京本部団長らと共に「陰謀論」など扇動的なフェイクニュースの拡散に尽力し、さらに民団・同胞を貶めてきたのです。
平気で嘘をつき恥じることを知らない人たち
この2年間、任泰洙候補・呉公太選対本部長の虚言から始まり、「正常化委」・「求める会」主導者らは、真の根本原因と問題の本質をすり替えて「自分に都合の良い物語」をねつ造し、「民主主義か専制主義か」「自由と民主主義の守護」などと吹聴してやみません。「大衆は小さな嘘より大きな嘘の犠牲になりやすい。とりわけそれが何度も繰り返されたならば」(大衆はそれが嘘かどうかに関係なく、何度も繰り返されることを信じてしまうものだ。特に大きな嘘ほど)、「単純化したスローガンを連呼せよ」――という稀代の扇動家・独裁者アドルフ・ヒトラーの言葉に倣うかのように。
たとえば、李壽源東京本部団長は今年1月1日付「民団東京」掲載の「新年あいさつ」でも、「昨年(原文ママ)からの中央大会混乱事態は、いまだ収束しておりません。この混乱事態の根本原因を挙げるとすれば、閉ざされた密室で三機関長を選出してしまったことです」と虚言、「陰謀論」を弄し、中央選挙管理委員会、呂健二団長および朴安淳議長を誹謗中傷・攻撃しています。その見出しは「自由と民主主義の旗を掲げて東京の使命と矜持をもって進もう」でした。
本当に「誇りある在日同胞の矜持」を大事にし、「民団の自由と民主主義」を守護する決意であるならば、そもそも事実を捻じ曲げ「不都合な事実」を隠蔽して民団・同胞を貶める「陰謀論」を主導し、しかも在日同胞および韓国国内に向けてフェイクニュースを繰り返し発信・拡散するようなことはしないでしよう。人々を欺く虚偽に満ちた「陰謀論」を徹底して排除するはずです。「陰謀論者」らは、平気で嘘をつき、「恥じる」ことを知らない無責任な人たちでもあります。
ちなみに、「正常化委」・「求める会」の主導者である呉公太前民団中央本部団長(東京韓国学校理事長)は、東京都内のホテルで開かれた尹錫悦大統領による「在日同胞午餐懇談会」(3月16日)において、醜態を晒しました。尹錫悦大統領の冒頭挨拶を、大統領のすぐ近くのテーブル席で、頬杖をついて聞いていたのです。あまりにも非礼・非常識です。午餐懇談会には民団中央本部三機関長、主要地方本部団長、在日各界代表らに加えて、韓国政府要人らが参加していました。「誇りある在日同胞の矜持」を大事にする人とは到底思えません。
◆民団・同胞を貶める「聯合ニュース」記事転載◆
「中央大会の翌日、投票用紙はシュレッダーで破棄され開票出来なくした」❶/「任泰洙前副団長の過去の犯罪歴を問題視して候補資格をはく奪したが、はく奪の根拠になる民団規定がなく深刻な内部葛藤を招いた」❷/「納得いかない本人確認過程を経て署名者241人に減らされ中央大会開催が取り消された」❸/「史上初の無開票団長当選によって壊された民団の民主的手続きを回復するには、代議員などが参加する中央大会を開催し、呂団長の信任を問う方法しかないと思われる」❹〈「求める会通信第2号」(22年1月17日付)に「民団の混乱、本国でも大きな波紋/『民主主義逸脱、恥ずかしい限り』」との大きな見出しで転載した21年12月25日付「聯合ニュース」抜粋〉❶❷❸❹は私が便宜的に添付。
「ミスリードする悪質な作文」を大書特筆
この「聯合ニュース」記事は、全くでたらめで読者をミスリードする悪質なものです。まず❶について。民団の選挙管理規定(第7条6項)に基づき、選挙運動違反行為で任泰洙氏の立候補登録が取り消され、単独候補となった呂健二候補の無投票当選(第13条3項)が決定したのです。このため開票の必要がなくなり、大会翌日にシュレッダーで破棄されたのです。開票できなくするために破棄されたのではありません。大会終了の翌日、慣例にならって投票用紙を処分したのです。これまでも大会終了後にはシュレッダーにかけ処分されてきました。
❷について。任泰洙候補の資格はく奪は、選挙運動期間中および「郵便投票」期間中に、任泰洙候補が担当弁護士をして「恐喝未遂事件とは無関係であった」とする「経緯説明」を発表させると同時に、候補本人も、自身の経歴に関して虚偽情報を発信して有権者を欺いたことが明らかになったためです。「過去の犯罪歴を問題視して」ではありません。それに「はく奪の根拠になる民団規定がなく…」というのも事実ではありません。前述のとおり民団の選挙管理規定に基づいてはく奪されたのです。
❸もまったくでたらめな報道です。なぜなら、「『本人署名確認』の精査と確認作業の結果、『本人署名確認』数が『241名』で最終的に確定しました。その結果、『民団正常化委員会』が求めてきた臨時大会開催請求は開催要件を満たさず不成立となり、一連の手続きは終了した」(中央監察委員会の2021年9月3日付「正常化委」代表宛公文)のです。しかも、「中央大会開催が取り消された」という「事実」はありません。
❹は、いい加減な❶❷❸を「事実」だとしたうえでの(聯合ニュース記者の)主観的な見解であり、無責任な主張です。そもそも、「無開票団長当選」は民団の「選挙管理規定」に基づくものです。「壊された民団の民主的手続きを回復するには、(云々)」などは、なんの根拠もない、まったくの「作文」です。しかも、民団中央大会・組織運営を非民主的でいい加減なものであるかのように伝え、民団組織・同胞を愚弄するものです。「正常化委」側の一方的虚偽主張(フェイクニュース・情報操作)をうのみにしたものと言わざるを得ません。
なお、常識的に考えて、今回の場合、「開票」しないことは「民意の無視」ではありません。「無実で不起訴になった」かのような任泰洙候補・呉公太選対本部長のたび重なる虚偽報告・宣伝・情報に誤導され、騙されて投票した有権者がいる以上、「開票による集計結果」は「民意を正確に反映している」とはいえません。
ちなみに、同定期中央大会で選出された金春植中央監察委員長は、定期中央大会での選挙管理委員会の報告「任泰洙候補の立候補登録取り消し・呂健二候補の無投票選出」を選挙管理規定に基づいた正当なものだと認めており、「2022年新春メッセージ」でも「団員皆様ご承知のとおり特に、団長選出においては前代未聞の混乱に混乱を重ね、4月6日に新3機関長が正式に選出されました」と強調しています。
非難されるべきは、「一票を投じる判断の基礎となる」選挙公約や選挙運動において、有権者に嘘をつき、欺き騙して支持を誘導し、「貴重な一票」を詐取した任泰洙候補および選対本部長の呉公太前民団中央本部団長です。二人とも有権者に対してお詫びも謝罪もしていません。そればかりか、問題の本質をすり替え、呉公太前民団中央本部団長の主導で、「正常化委」を発足させたのです。そして選挙管理規定に基づいて任泰洙候補の登録を取り消した選挙管理員会に対して、あたかも対立候補の一方に肩入れしてきたかのような虚偽情報の発信および誹謗中傷を執拗に繰り返してきました。
「正常化委」・「求める会」の主導者は、正式に発足した呂健二団長を中心とした中央執行部および朴安淳議長への誹謗中傷・攻撃をいまだに続け、責任転嫁・虚偽宣伝・詭弁、「陰謀論」によって民団中央、そして民団組織への不信感を醸成するのに全力を注いでいるのです。
前述のように「聯合ニュース」記事は、韓国国民に誤った民団像を伝え、民団組織・同胞を貶めるものです。「求める会」が「聯合ニュース」を大きく転載したのは、本国のメディアによる報道こそが、自分たちの「正当性」を裏付け、「陰謀論」を証明するものであるかのように印象づけたいためなのでしょう。だが、常識をわきまえ賢明な中央委員・代議員を、いつまでも欺くことはできないでしょう。