朴容正・民団中央本部副議長
■なぜ「中央議長+監察委員長」不信任案なのか、具体的理由説明なし
■定期中央大会2か月前の「臨時中央大会召集」への固執はなぜなのか
■なぜ民団東京機関紙で「中央議長の主張」をでっち上げ発信したのか
■「中央監察委員長の規約無視・暴走」を放置しているのはなぜなのか
■なぜ「中央団長・議長停権処分」を批判・糾弾せず支持しているのか
■「公開質問状」に沈黙を続け、説明責任を果たさないのはなぜなのか
《事前に公開の場できちんと議論を》
李壽源民団東京本部団長と李元徹民団大阪本部団長を代表として集められた在籍中央委員・代議員の過半数を超える「臨時中央大会召集請求」署名(287通)の「真正確認」が、規約運営規定に則り現在行われています。11月24日に終了し、有効と確認された署名が在籍中央委員・代議員の2分の1以上であれば、朴安淳中央本部議長は、それから「30日以内」、12月24日までに臨時中央大会を召集しなければなりません。
①議長の不信任➁監察委員長の不信任を議案とする「臨時中央大会」召集から2か月後、来年2月には定期中央大会が開催され新三機関長が選出されます。朴安淳中央議長と金春植中央監察委員長の任期はあと2か月を残すだけとなる時点での臨時中央大会の召集に固執するのはなぜなのか。年末の忙しい時期に、全国から500人近くの中央委員・代議員を集めて「臨時中央大会」を開くことにどのような意味があるのか。
今回の「署名集め」に応じた中央委員・代議員のうち、「臨時中央大会」が召集される場合、12月20日前後になること、そして「臨時中央大会」召集の2か月後には新三機関長を選出する定期中央大会が開催されることついて明確に認識している人は、「署名」主導者を除き、さほど多くないものとみられています。
「臨時中央大会」は任期途中で、それも残り2か月という時点で、「議長不信任」と「監察委員長不信任」という重い決断を迫るものです。それにもかかわらず「署名集め」の主導者は、肝心な「議長不信任」および「監察委員長不信任」の理由について、中央委員・代議員に対して、事前はもとより事後も明示的・具体的になにも説明していません。中央委員・代議員一人ひとりが2人の「不信任論」の是非を、それぞれ見極め賛否を決するのに不可欠な検証・判断材料を提供することなく、何はともあれ「数」(量)を最優先に、「署名」を集めたことを示しています。
「署名集め」の主導者には、「臨時中央大会」召集前に、開かれた場での一問一答や活発な議論を通じて、多くの団員と事実を事実として広く共有するとの考えは、初めからないのでしょう。「よらしむべし知らしむべからず」で、およそ民主的ではありません。
そもそも、疑問だらけの「議長不信任・監察委員長不信任のための臨時大会」召集署名集めです。召集議案に「監察委員長の不信任」をあげていますが、「署名集め」の主導者は、規約を無視して虚偽に満ちた「公文」を乱発し、今もなお「呂健二氏は団長でない。朴安淳氏も議長ではない」「前中央団長・呂健二氏。前中央議長・朴安淳氏」などと喧伝し暴走する金春植中央監察委員長については、批判せず、逆に積極的に擁護してきました。
その一方で、李壽源東京団長は、自身が発行人となっている東京本部機関紙「民団東京」の「第78周年光復節特別号」で、朴安淳中央議長を標的に、ありもしない「中央議長の主張」なるものをでっち上げ、「朴安淳議長=不信任に相当する」と、強く印象づけようと、団員を欺き騙しています。「署名集め」という目的達成のためには手段方法を選ばず、機関紙を悪用してまで平気で嘘、デマを流し朴安淳中央議長への誹謗中傷を強めているのです。「金春植中央監察委員長無批判・擁護」とまったく対照的です。
《中央監察委員長と東京団長らとの出来レース》
「中央委員会の同意」なしに金春植中央監察委員長が昨年7月に強行した「呂健二団長と朴安淳議長に対する停権3年の懲戒処分」は、「中央大会で選出された団長・議長らに対する懲戒」には「中央委員会の(事前)同意」が不可欠とする「規約第75条但書(1)」を無視したものです。規約には「中央団長、中央議長をはじめ中央委員に対する懲戒処分は、処分実施後でも中央委員会の同意を得れば問題ない」などとする文言はどこにもありません。「処分実施後に中央委員会の同意を取り付ければいいのだ」との金春植中央監察委員長の主張は、昨年3月の第76回定期中央委員会でも明確に否定されています。
それにもかかわらず、李壽源東京団長は、昨年7月の東京本部執行委員会・支団長・傘下団体長合同会議で「中央監察委員会による中央本部団長・議長に対する処分決定は規約に基づいたものだ」と虚偽報告。8月の第77周年光復節中央記念式典に「停権処分の状態にある呂健二団長と朴安淳議長が出席することは、在日同胞の歴史に恥ずべき汚点を残すことになる」として、「出席は辞退するべきだ」と通告することを「決議」しています。
そして「臨時中央大会の開催を求める会」(呉公太共同代表)は、昨年8月30日付の「求める会通信・第9号」で、「呂団長、朴議長『停権3年』/監察委の処分が確定」とのトップ見出し・記事で、金春植中央監察委員長の規約無視・暴走を積極的に擁護。「規約第75条但書(1)」に関して、「(「事前の同意が必要」と)規約に明示しなかった理由は、事前の同意が必ず必要であれば、民団規約の三権分立制という民主制度、監察機関の不羈独立性を毀損することになり、規約の整合性に齟齬をきたすからである」などと、荒唐無稽な注釈をつけ、「もはや呂健二氏は団長でなく、朴安淳氏も議長ではない」と強弁していました。
金春植中央監察委員長、李壽源東京団長そして呉公太「求める会」共同代表らの主張が「規約」に照らして正しく、「呂健二団長・朴安淳議長停権処分」が「有効」であるならば、「中央本部団長」および「中央本部議長」は不在となっており、昨年8月の段階で新たに「中央本部団長」と「中央本部議長」を選出するための「臨時中央大会」の早期開催を全国の中央委員・代議員に呼びかけなければなりません。
だが、この人たちは、誰一人、「中央本部の団長・議長不在」という「超異常事態」の解消のための「臨時中央大会開催」を呼びかけることはありませんでした。「かつてない異常事態」を、無責任にもこの1年以上ずっと放置してきたことになります。そして現在、「中央本部の組織混乱事態により、民団史上、最大の危機にあるといっても過言ではない」などと吹聴し、「中央議長+監察委員長」不信任のための「臨時中央大会召集」に注力しているのです。まったく支離滅裂です。
しかも「召集請求者代表」の李壽源東京団長は、現中央団長および現中央議長を「前」中央団長、「前」中央議長と不当に貶めた昨年7月の「東京本部合同会議決議」を、撤回していません。「臨時中央大会」の議案として、もはや「中央議長ではない」はずの「朴安淳中央議長の不信任」をあげるとともに、「召集請求署名」を「中央議長ではない」朴安淳中央議長に提出している、ことになります。
それだけに、なぜいま「朴安淳中央議長不信任」と「金春植中央監察委員長不信任」を議案とする「臨時中央大会」の召集なのか――。中央委員・代議員はもとより全国の団員に対して具体的根拠を示して丁寧な説明が不可欠です。だが、説明していません。ちなみに、李壽源東京団長は、朴容正中央本部副議長の「公開質問状」・「『臨時中央大会召集請求』発起人代表・李壽源東京本部団長に問う」(統一日報電子版10月19日アップ)に沈黙を続け、説明責任を果たしていません。
《これ以上民団・同胞を貶めてはならない》
李壽源東京団長は、今年1月1日付「民団東京」掲載の「新年あいさつ」でも「昨年(原文ママ)からの中央大会混乱事態は、いまだ収束しておりません。この混乱事態の根本原因を挙げるとすれば、閉ざされた密室で三機関長を選出してしまったことです」と虚言を弄し、中央選挙管理委員会、呂健二中央団長および朴安淳中央議長を誹謗中傷・攻撃。「民団東京・第78周年光復節特別号」でも同様な主張をくりかえしています。「求める会」の呉公太共同代表らも、「規約無視の大会で再選された『正当性のない呂健二執行部』」などと、あいかわらずフェイクニュースの発信・拡散を続けています。
いまだに虚偽に満ちた情報の対内・対外発信を続け、民団組織・同胞を貶めているのです。2021年の第55回定期中央大会での三機関長選出は、規約に則った合法的なものでした。中央三機関長の任期は残りあとわずかです。今回の「臨時中央大会召集請求署名」は「議長+監察委員長不信任の理由」について具体的な提示・説明もなく行われ、多くの疑問を残しています。事実が軽視・無視され嘘・虚偽がまかり通ることがないよう、中央委員および代議員の賢明な行動を願ってやみません。
※参照
・金一男「組織混乱 原点に戻って考える」(民団新聞2023年5月10日)
・韓真悟「全国中央委員・代議員の皆様へ 嘘をつく人たち、嘘を信じる人たち」(民団新聞電子版2023年3月3日)
・朴容正「『臨時中央大会召集請求』発起人代表・李壽源東京本部団長に問う どこまで虚言を弄し団員を欺き騙すのか」(統一日報電子版2023年10月19日)