駐日韓国大使館の立会いのもとに、昨年12月26日に「在日本大韓民国民団中央執行部・議決機関(以下、執行部・議決機関)」と「暫定三機関(以下、暫定側)」との間に「合意書」が交わされました。5項からなる合意書は「長期に亘る中央本部の混乱状況を大局的な観点から収拾し、2024年2月28日予定の定期中央大会を公平・正常に開催する」ためのものです。
駐日大使館は「民団に対する紛糾団体の指定を避けるため、2023年11月29日以降双方が取った全ての決議・処分を認定することは出来ない」(第4項)とし、双方は「駐日大使館の立会いのもと、合意事項を誠実に履行することを約束」 (第5項)した。
駐日大使館で行われた合意書交換のための3者協議で、「暫定三機関」側は「第56回臨時中央大会で選任された暫定三機関」であると主張しました。だが、「第56回臨時中央大会」と称した「12月2日の集会」は民団規約を無視したものであり「臨時中央大会」ではありませんでした。しかも、そこで選任されたという「暫定三機関」は、民団規約にないものでした。このため、民団中央執行部・議決機関側代表はもとより、駐日大使館側も、「暫定三機関」側が「第56回臨時中央大会で選任された暫定三機関」と名乗ることを認めませんでした。
「認定することは出来ない」(第4項)と指摘した「2023年11月29日以降双方が取った全ての決議・処分」には、当然規約違反の「12・2集会」・「暫定三機関の選任」、「暫定三機関任員(議長・副議長/団長・副団長・事務総長/監察委員長・監察委員/常任顧問)の発表」などが含まれています。だからこそ、「12・26合意」に至る前の3者協議で、「暫定三機関」側が「第4項の削除」を執拗に主張していたのです。
ところが、「暫定三機関」側は、「12・26合意書は自分たちの主張を反映したもので、『12・2集会』を否定しておらず『暫定三機関』の正当性を認めたものだ」などと喧伝しています。しかし、この人たちが主張していた「合意書(案)」と実際に署名し公表された「12・26合意書」とを比較・対照すれば、事実でないことは明らかです。
「12・26合意書」は、一方の当事者について冒頭で「第56回臨時中央大会で選任された暫定三機関」ではなく、「暫定三機関」と5文字で表記しています。すなわち、「暫定三機関」の正当性主張を認めず、否定しているのです。そして、「第4項」で「12・2集会」および「暫定三機関」の決議などを明白に否定しています。この「第4項」は前述のように「暫定三機関」側が執拗に撤回を求めていたものです。それにもかかわらず、「暫定三機関」側は、署名しています。
「暫定三機関」の張仙鶴「暫定議長」は、今年2月の定期中央委員会と定期中央大会の召集者は自分であるかのように吹聴していました。だが、彼には当然のことながら何の権能もありません。「12・26合意書」からして明らかです。2月の定期中央委員会と定期中央大会は、それぞれ規約第18条、第13条に基づき、朴安淳中央議長によって召集されます。そして、定期中央委員会および定期中央大会での議長挨拶、団長挨拶は朴安淳議長、呂健二団長が行います。
ちなみに、規約など民主的な組織ルール、手続きをきちんと守ってこそ、民団の理念も生かされ、民団組織の存在意義があります。民主主義は「適正な手続き」を守ることから始まります。感情的・扇動的に推進してきた強引な手法がまかり通るようになれば、長年培われてきた民団内の民主的風土は失われます。
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