掲載日 : [2023-04-28] 照会数 : 6867
張界満民団新宿支部議長に対する抗議文
張界満民団新宿支部議長に対する抗議文
民団中央本部 組織局
2023年4月15日付け「民団新宿支部ニュース」に、「民団中央本部での問題について/その②」と題した、民団新宿支部議長・張界満弁護士(以下「張弁護士」といいます)の執筆によるとする記事が掲載されました(以下「本件記事」といいます)。
本件記事には、重要な事実の意図的な欠落による偏向的記載が散見されるばかりか、民団及び中央団長の名誉を傷つけ貶める記載まで見受けられることから、以下のとおり、本書をもって抗議を申し入れます。
1.本件記事の概要
本件記事は、2021年4月6日に発足した、現行の呂健二中央団長(以下「中央団長」といいます)による第55期体制における中央執行委員の選任において、李壽源東京地方本部団長(以下「李東京団長」といいます)が推薦されずに選任されなかったこと(本件記事によれば「中央執行委員から外されたるという事態」)を殊更に問題視するものです。
この点、本件記事は、中央執行委員の選任が「基本的には中央団長の自由裁量」であり、これは中央の執行機関としての中央執行委員会が「『一枚岩となって』ことに臨むことが好ましいこと」によるものであるとしながらも、李東京団長が選任されなかったことは、中央団長が「人事権をほしいままに振る」ったものであり、李東京団長を「恣意的に排除」したものであると一方的に決め付け、中央団長において、「『東京地方本部の団長が自分と違う意見を持っているので、中央執行委員会の運営に邪魔になる』という理由で簡単に切って捨てる権限はないというべき」であると断罪しています。さらには、李東京団長の不選任は、「行きつくところは、東京の各支部の役員・団員のすべてを民団から排除しても良いということになりかねません」と過剰に読者の不安を煽り、李東京団長を選任しなかったことについて、他の中央執行委員が中央団長を「諫めるべきというもの」であったとまで述べています。
そして、これらの議論を踏まえた上で、「官製ヘイト」の問題、具体的には「群馬の森・朝鮮人追悼碑事件」の判決理由(「朝鮮人が強制連行されたというのは、政府見解と異なる歴史認識なので許されない」という理屈)を引用して、あろうことか、これと李東京団長の中央執行委員不選任とが「同じ」であるとし、「『気に入らないから仲間に入れない』というのでは、結局は民団の組織・結束を危険にさらす行為となりかねない」と結論しています。
2.本件記事が、意図的に、李東京団長が「民団中央正常化委員会」の代表として同組織を主宰した事実を一切記載していないこと
李東京団長は、第55期体制発足直後の2021年4月12日に、「民団中央正常化委員会」の代表として、「臨時中央大会開催を求める賛同署名要請趣旨文」なる文書を広く回付し、呂中央団長を選任した第55期中央大会を誹謗し、臨時中央大会の開催、つまり団長選挙のやり直しを求める分派的活動を主宰することを明らかにしました。
これに対して、中央団長は、2021年5月14日付け公文(韓民中組発第55-005号)において、「民団中央正常化委員会」なるものが民団組織を分裂させるものであり、組織防衛の立場からこれ以上放置できないため、即刻解散するよう要求しています。そして、2021年7月27日には、第55期第3回中央執行委員会において、「民団中央正常化委員会」の解散を勧告することが決議・通知されています(韓民中組発第55-028号)。
第55回定期中央大会を合理的根拠なく誹謗し、第55期体制を否定する組織である「民団中央正常化委員会」は、組織破壊的な分派的活動であると言わざるを得ず、組織防衛の観点からも、中央執行部として到底許容できるものではありません。
過去に歴代の東京地方本部団長が中央執行委員として選任されていながら、李東京団長が推薦されなかったのは、李東京団長がこのような分派的活動を主宰し、公然と第55期体制を否定する旨の言動が見られたことから、中央執行委員候補者として不適切であったためです。
本件記事にもあるとおり、中央執行委員の選任が「基本的には中央団長の自由裁量」であるのは、中央執行委員会が「『一枚岩となって』ことに臨むこと」が必要であるためです。したがって、中央団長は、中央執行委員の推薦にあたり、中央執行部がよく機能するよう候補者の適正等を検討しなければなりません。しかるに、執行部の体制自体を否定する人物を執行部の中枢に置くとすれば、民団の円滑な運営に支障を来たすことは目に見えているのであり、分派的活動を主宰し第55期体制を否定する旨を公言する李東京団長を中央執行委員に推薦しないことは、中央団長の職責からすれば当然です。
以上のとおり、李東京団長が中央執行委員の推薦を受けなかったのは、李東京団長自身の言動から中央執行委員としての適性を欠くと判断されたためであり、中央団長が「人事権をほしいままに振る」ったものでもなければ、李東京団長を「恣意的に排除」したものでもありません。全ては李東京団長の個人的適正の問題です。本件記事は、他の中央執行委員が中央団長を「諫めるべきというもの」であったと述べていますが、第55期第3回中央執行委員会において、「民団中央正常化委員会」の解散を勧告することが決議されていることからすれば、他の中央執行委員も当然に、「民団中央正常化委員会」の代表である李東京団長について中央執行委員の適正に欠けると判断していることは明らかであり、「諫めるべき」であったなどとは論外です。
そして、李東京団長が第55期体制発足直後に「民団中央正常化委員会」の代表となったことは広く知られているにも関わらず、本件記事がかかる事実に一切触れていないことは、意図的であり極めて遺憾です。
さらには、このような李東京団長の個人的問題に一切触れないままに、「行きつくところは、東京の各支部の役員・団員のすべてを民団から排除しても良いということになりかねません」と過剰に読者の不安を煽る本件記事は、民団の結束を揺るがす悪質なデマといわざるを得ません。
なお、本件記事には、中央団長が(李東京団長が)「自分と違う意見を持っているので、中央執行委員会の運営の邪魔になる」ために推薦しなかったとし、また、故金敬得弁護士の言を引用した上で、「反対意見を入れて議論してこそ中央執行委員会がよりよくなるということです」と意見する箇所がありますが、大きな欺瞞です。組織体制内部で反対意見を含めた活発な議論があることは健全であり、あるべき姿です。しかし、だからといって、分派活動を標榜し組織体制自体の否定を公言する人物を組織体制の中枢に据えるべきであるとするのはあまりに飛躍があり、民団運営の支障等の弊害、中央団長の職責の観点を全く看過しています。的外れであるばかりか、極めて誤導的です。
3.本件記事が、李東京団長の不選任を「官製ヘイト」判決と「同じ」であると断じていること
以上のとおり、本件記事は、事の本質である李東京団長の言動・適正に意図的に一切触れず、あたかも、中央団長が李東京団長を嫌っているがために中央執行委員に推薦しなかったかのように論じています。
そればかりか、本件記事は、李東京団長の不選任と、「朝鮮人が強制連行されたというのは、政府見解と異なる歴史認識なので許されない」という「群馬の森・朝鮮人追悼碑事件」の判決理由とが、「気に入らないから仲間に入れない」という意味で「同じ」であると結論しています。
上記のように、李東京団長の不選任は、「気に入らないから仲間に入れない」などという、中央団長の個人的好みによるものではありません。中央団長としての職責から、李東京団長の言動をもって、中央執行委員の適正に欠けると判断せざるを得なかったためです。
このことを棚に上げ、強制連行の事実を否定する判決理由と同列であると断じるなどとは、民団、中央団長の名誉を著しく毀損する暴言であり、到底許容できるものではありません。
張議長(弁護士)は、李東京団長の言動等に意図的に触れないまま、李東京団長の不選任をあえて強制連行の事実を否定する判決理由と同列に扱うことで、読者において中央団長の印象を著しく悪化させることを企図しているようです。本件記事は、強制連行の事実を否定する判決理由に中央団長ほか民団団員が強く心を痛めていることを知りながら、意図的に李東京団長の言動等の重要な事実に触れないことで読者の印象を操作し、中央団長の行動が同判決理由と同様である等と結論して、中央団長を侮辱し、中央団長の社会的評価を著しく傷付け貶めたのであり、言論の自由の範疇を超え、到底許されるものではありません。本件記事が弁護士による執筆であることに基づく読者に対する影響力の大きさも考えれば、張弁護士においては、あまりに自覚に欠けており、弁護士としての品位に欠ける非行と言わざるを得ません。
4.結語
以上のとおり、本件記事は、事の本質である李東京団長の言動・適正、つまり、李東京団長が第55期体制発足直後に、「民団中央正常化委員会」の代表として、第55期体制を否定し分派的活動を行うことを公言したこと等について、意図的に一切触れず、これにより悪質な印象操作を行っています。
本件記事を読んだ読者は、あたかも、中央団長が個人的好みから、自分と意見の異なる李東京団長を中央執行委員として推薦しなかった、そして、このことは強制連行の事実を否定する判決理由と同様であり、このままでは東京地方本部の団員が全て民団から排除される危険すらある、という事実と全く異なった偏向した印象を抱くものと思料され、民団及び中央団長の名誉、社会的評価は著しく毀損されます。
本文をもって、民団新宿支部及び張弁護士に対し、強く抗議するとともに、本件記事の訂正及び謝罪を求めます。