掲載日 : [2022-12-07] 照会数 : 2654
「心の傷」癒しあう 脱北同胞、関東地区で交流会
[ 温泉招待券が当たったオリニ ]
関東地区に在住する脱北元在日同胞を対象とした「後半期交流会」が11月26日、東京都内の健康ランドで開かれた。当事者と北韓の現地で生まれた子、日本で生を受けた孫ら42人が参加。主催の民団中央本部からは呂健二団長が公務出張先の札幌から急ぎ激励に駆けつけた。
この日、来賓として参加した北朝鮮難民救援基金の加藤博理事長が脱北者自身に聞き取り調査したところ、苦労の末、日本にたどり着いてからすでに10年以上、20年前後が経過していた。10年以下は1人だけ。日本での定着が進んでいることがわかった。
一方で参加者の多くは北韓に親族を残している。コロナ感染の影響で日本からの連絡が届かないことが悩みの種だ。
生まれ育った日本に戻って22年になるという女性は「手紙が戻ってきた」と心配な様子。それでも得意のアコーディオンを自在に操り、「口笛」や「平壌の夜」など北韓在住当時の懐かしいメロディーを奏で、参加者を慰めた。
カラオケタイムでお気に入りの「瀬戸の花嫁」(山上路夫作詞、平尾昌晃作曲)を歌唱したある男性。北韓でこの曲を流行らせたことで防諜機関の保衛部に拘束され、拷問を受けたという。いまだに「心の傷が残
っている」と複雑な心境を語った。
最後に温泉ペア1泊2食付き招待券や「全国繁盛店ラーメンセット」などの賞品が当たるビンゴゲームが行われた。
(2022.12.07民団新聞)