掲載日 : [2010-06-30] 照会数 : 5241
親子で学ぶ韓日交流史 リバティおおさか企画展
[ 会場で観覧者の説明に立つ文公輝さん(左) ]
【大阪】古代から連綿と続く韓半島と日本列島の交流の歴史を5感で学びながら、多文化共生の未来を展望するという「親子で学ぶ」企画展が22日、リバティおおさか「大阪人権博物館」特別展示室(大阪市浪速区)で始まった。同館学芸員で在日同胞3世の文公輝さんが、「併合100年」の節目にと企画した。同館が子どもたちのための展示を行うのはこれが初めて。8月29日まで。
1問1答 在日問題も詳細に
展示は①等身大の在日同胞像について学ぶ「在日コリアン」②韓国併合当時の「植民地の時代」③壬辰倭乱から朝鮮通信使までをテーマとした「もう一つの戦争」④古代にまでさかのぼる「悠久の歴史」の4コーナーからなる。子どもたちが教科書で学んだ知識をさらに掘り下げられるよう、1問1答の形式となっている。
生野区に多くの韓国人が居住するに至った経緯については、「なぜ日本に来たのか」で答えている。子どもたちは、1930年代と現在を対比した通称「コリアタウン」の写真の前に立ち、食い入るように見つめていた。50代の日本人女性は、「生活者としての在日韓国人の熱気が、写真からよみがえってきました。よく昔の写真が残されていたものですね」と、感心した表情だった。
人物紹介では力道山、田内千鶴子、豊臣秀吉、福沢諭吉などを取り上げた。「体験コーナー」では韓半島の文化や遊びに親しむことができるよう資料や遊具を準備した。
関連企画として27日には野外講座「親子で遊ぼう!おおさかコリアタウン」を開催、定員いっぱいの30人でにぎわった。7月10日には学芸員セミナー「韓宗碩‐はじめての指紋押捺拒否者」。同じく、子ども向けでは8月7日、「大阪で暮らす韓国・朝鮮人の歴史と文化」と題して文さん自ら講演する。8月22日にはシネマ「江戸時代の朝鮮通信使」と「解放の日まで」の上映も予定している。同館関係者によれば「親子で参加してもいいですか」という問い合わせも寄せられている。
月曜日休館、午前10時〜午後5時。入館料は大人250円、高校・大学生150円、中学生以下は無料。℡06・6561・5891。
(2010.6.30 民団新聞)