掲載日 : [2010-07-14] 照会数 : 4647
荒川放水路改修から100年 同胞も多数従事感謝と追悼の夕
未来志向の韓日関係願い
町内会で実行委、8月7日に
荒川河川敷(東京・足立区千住5丁目地先、虹の広場)で今年も様々な死者の魂を弔う「灯籠流しと音楽会」が行われる。今年は荒川放水路の改修計画が立てられてから100年の節目の年とあって、同実行委員会は「荒川放水路をつくってくれたすべての人に感謝したい」と話している。
改修計画が具体化したのは、被災者150万人を出した1910年夏の大水害がきっかけだった。建設には韓半島出身者も多数携わったとされる。また、工事中の1923年には関東大震災が勃発し、多くの同胞が虐殺された。実行委員会では、「過去を忘れていいわけではないが、それだけでは前に進まない。イベントを通じて日韓関係を未来志向なものに進めていけたら」と話している。
灯籠流しと音楽会を発案したのは、広島出身の歌手で、被爆2世の山村貴子さん。「心の平和」を願って千住3丁目町会長の山崎次郎さん(84、実行委員長)に協力を依頼したのが始まり。第1回は参加者160人余りだった。回を重ねるごとに規模がふくらみ、昨年は2000人が参加。東京大空襲で亡くなった身内や不慮の事故で死んだ子どもなどを偲び、計750の灯籠を流した。
8回目を迎える今年は8月7日の開催。午後2時からボート体験教室や自然工作教室などの子ども向けイベントが始まり、周辺には露店も出る。灯籠の配布は午後6時から。
(2010.7.14 民団新聞)