掲載日 : [2020-05-27] 照会数 : 6971
「朝鮮人犠牲者追悼式典」に冷水…東京都が誓約書提出を要求
[ 網町公園内に建立されている「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」 ]
実行委声明「ヘイト集会と同列扱い」
東京都立横網町公園内に建立されている「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」前で毎年9月1日、追悼式典を執り行っている実行委員会に対し、同公園を管理している都が、2020年追悼式典使用許可申請に対し、拡声器使用など「公園管理上支障となる行為は行わない」などの都知事宛ての誓約書の提出を求めていたことがわかった。従わなければ次年度以降、公園地の使用を許可しないこともありうるとしている。
同実行委員会は「拡声器を大音量にするなど都が示した『公園管理上支障となる行為』は行ったことがない」。これは都も「今回設けた条件に概ね合致している」、「今後も、概ね昨年同様の式典を開催いただけると考えております」と文書で回答しているという。
一方、式典当日、同時刻に公園内からわずか20㍍離れた場所では「六千人虐殺の濡れ衣を晴らそう」、「6千人虐殺は捏造・日本人の名誉を守ろう」と大書された看板を掲げた女性団体「日本女性の会 そよ風」が「真実の関東大震災石原町犠牲者慰霊祭」を行っている。慰霊祭側の拡声器は嫌がらせとも思わせる大音量で追悼式が行われている方向に向けてきた。
同実行委員会は18日、都に誓約書要請の撤回と速やかな占有許可を求める「声明」を送った。このなかで「『そよ風』の問題行動に対しては個別に注意すればいいこと。なぜ、何の瑕疵(かし)もない当実行委員会とセットにして双方に誓約書を書くことを求めるのか。『慰霊の公園』という横網町公園の趣旨に照らして、都の意図に対する疑念は膨らむばかり」としている。事務局担当の赤石英夫さんは「ヘイト集会と追悼集会を同列に扱っているのが問題。要求実現のため、都への要請行動は今後も続けていく」と述べ、誓約書の撤回を求めている。
都の担当者は「横網町公園で昨年9月に衝突、トラブルがあった。公園で式典や集会を行うすべての団体に対し、等しく公平に占有許可条件を示している」と述べた。
「声明」に賛同、1千通を超す
「声明」には1000通を超す賛同のコメントが寄せられている。主なものは次の通り。
「右翼連中の攻撃を利用して、朝鮮人犠牲者式典に横槍を入れる東京都。ベタベタの共犯関係なんだろうね」「横網で静かにやってる追悼式だよね。なぜ酷いことをしたことを認めず死者を悼むことができないのか解らない。当日右翼の街宣車が横を通っていくのも不愉快。イデオロギーの前に人間としての恥と矜持を知れ」「こういうので喧嘩両成敗的な対応したら右翼団体の思う壺なんだけど、都としてもその方が都合がいいのかね?」
(2020.05.27 民団新聞)