朝鮮時代の気分で
そろそろ8月も終わりですね。今回は、冬瓜を使った「トングァヌルミ」という見た目が上品な料理です。『飲食知味方』に書かれているのは、よく熟した冬瓜を梨の葉くらいの大きさに薄く切り、塩をかけておき、大根は花菜(ファチェ)を作る時のような大きさにきざむとあります。
大きさについては寸法ではなく、「梨の葉の大きさに切る」や「花菜を作る時の大きさに刻む」などと書かれているので、調理する時にまるで朝鮮時代に戻ったような気分になります。
日本でも話題になった韓国ドラマで、主人公の女性が一人二役で現代と朝鮮時代の話に登場する物語がありました。本書にはこのドラマのように、その時代背景が料理に現れ、そして姿を変えて現代に受け継がれている料理も少なくありません。
韓国慶尚北道の英陽郡には飲食知味方体験館がありますが、その敷地一帯には韓屋が建てられていて、当時を思わせる雰囲気を漂わせています。資料館などもあるので訪れてみてはいかがでしょうか。タイムスリップの感覚が味わえますよ。
◇材料(4人分)
冬瓜150g、塩小さじ1/4、大根60g、岩茸1g、戻した干しシイタケ2枚、えのき30g、胡椒少々、塩小さじ1/4、万能ねぎ1根
<ソース>
キジ肉汁(鶏肉スープ可)1/2カップ、小麦粉小さじ1、醤油小さじ1/3、塩小さじ1/4、ゴマ油小さじ1/2、山椒少々
◇つくり方
1.冬瓜を6cm×7cmの薄いスライスに切り、塩を振っておく。
2.大根を千切りにし、透明になるくらいに茹で水気をきっておく。
3.岩茸、シイタケ、えのきをそれぞれみじん切りにし、②大根も加えて胡椒で味付けする。
4.①の冬瓜の水気をキッチンペーパーで取り、冬瓜の1/3のところに③の具材をのせ巻いてから、蒸し器で7分蒸す。
5.ソースの材料を混ぜあわせてから鍋で一度煮立たせ、皿に4の冬瓜を盛りソースをかけ、小口切りの万能ねぎをかざる。
(2019.08.28 民団新聞)