掲載日 : [2019-10-24] 照会数 : 9067
<韓国国体特集>スポーツで感動共有し次世代育成に…呉公太選手団長に聞く
[ 100回大会で準優勝のトロフィーを掲げる呉公太氏 ]
「若い次世代の選手たちが目を輝かせ、真剣勝負をしている姿に感銘を受けた。スポーツは本当にすばらしい」
メモリアル大会となった第100回韓国国体ソウル大会で在日同胞選手団長を務めた呉公太氏が準優勝トロフィーを手に笑顔で語った。
◆高校球児時代
100回目となる歴史的な韓国国体の在日同胞選手団。その栄誉あるソウル大会で選手団長を務めた呉公太民団中央本部常任顧問。少年時代から野球に熱中し、甲子園をめざしていた高校球児だった。
「甲子園出場の夢は叶わなかったが、丸坊主になり全力で野球を続けたことは、大きな達成感を持った」。
◆ボウリングとの出会い
大学を卒業する頃に訪れてきたのが、第1次ボウリングブームだ。
「ものすごいブームで私も夢中になったな。マイボールまで作り、毎日のように一生懸命練習したよ」
長野県のアマとしてはトップレベルで県代表選手として国際大会にも出場したほどの実力だった。ところが、28歳の時、突如とゴルフに転向した。
◆屋外競技への転向
「少年時代から野球をやっていたこともあり、屋内競技に嫌気がさし、晴れ晴れとした屋外競技をやりたくなった。それがゴルフだった。打ちっ放しから練習をスタートし、コースに出たときは感動しました。ハマったね。今でもハマってるけど」。
その実力は何度もクラブチャンピオンになるほどピカイチだ。
◆国体への思い入れ
第100回大会という大舞台だけにプレッシャーも大きかったが、選手団長を快く引き受けた。
「民団中央団長の6年間、次世代育成を最重点事業に掲げ、多くのイベントを開催したが、なかなか大きな成果が上がらなかった。その意味で、国体は次世代アスリートたちがスポーツを通じて母国と同胞に触れあう格好の場だと思う。そんな姿が見たかったこともあり、引き受けた」
◆連覇逃すも
在日同胞は8連覇をめざしたが、最終日までの金メダル数は4個で総合4位。表彰台さえも危ぶまれていた。最終種目のゴルフで金1個を獲得し、在日、在インドネシア、在中国が金5個で並んだ。結局、銀メダル数で上まり、劇的に準優勝となった。
「在日同胞の団結力を示すためにも、好成績(優勝)を残すことは良いが、それよりも選手同士の親睦をしっかりすることが大切だと感じた。8連覇は逃したが、どの選手たちも一生懸命戦っていたし、よく頑張ったと言ってあげたい。7日間の熱戦がとても楽しかった」
「選手たち一人ひとりが頑張っている姿、それ以上に選手団スタッフが早朝から深夜まで、選手たちを支えている姿に感銘を受けた」
◆東京五輪への期待
来年の東京五輪には柔道の安昌林をはじめ、金琳煥、趙睦煕、金知秀、許海実など、在日3世たちの活躍が期待される。
「在日の選手たちが韓国代表となってくれることを大いに期待しているし、在日同胞挙げて応援したい。そして、世界の舞台で在日の底力を示し、次世代たちに勇気と希望を与えてほしい」
◆今後の次世代たちに
「国家代表輩出は誇らしいし、スポーツは競技者と観戦者が感動を共有できる。スポーツを通じた次世代の育成を大切にしてほしい。しっかりした目標を持ち続けた子どもたちは、それなりに成果につながっている。韓国人としての誇りも持っている。体育会にしても青年会にしても、そつなく目標を立てながら次世代を育ててほしい。私も微力ながら支援を惜しまない」
(2019.10.24 民団新聞)