「次世代育成」を最優先に大同団結して3課題を推進
中央団長 呂 健 二
2022年壬寅(みずのえ・とら)年を迎え、全国の同胞の皆様、民団を支えておられる韓国及び日本の皆様に心より新春のお慶びを申し上げます。새해 복 많이 받으십시오.
本年が皆様にとって平和と希望に充ちた良い年でありますよう心より祈念申し上げます。
新型コロナウイルス感染症により、私たちはこの2年間、生活や事業が多くの制約を受け、様々な自粛を強いられてきました。ワクチン接種の普及で、少し落ち着きを見せていますが、オミクロン変異株が世界で流行の兆しが見え、予断を許さない状況です。今後も当分間、コロナ感染対策に留意した生活が続きますが、民団は団員・同胞の生活権を守ることを最優先に尽力してまいります。
昨年5つの喜び
昨年、私たちは幾つかの《喜ばしいこと》を共有しました。
一つは、日本政府の了承を得て、民団がコロナワクチン職域接種を実施したことです。接種には同胞や日本の方だけでなく、7カ国の外国人住民の方々が民団を訪れました。なかでもネパールの方々が84人も接種に訪れ、「民団がやってくれて助かりました」という声を多く聞きました。民団は日本に住む最も古い住民団体です。コロナ禍の中、他の外国人住民が困っている時に、日本側でカバーできないところを民団が補完して支援することができ、多文化共生社会の拡がりに一定の寄与を果たすことができました。
二つ目は、民族学校の一つである京都国際高校が春に続いて夏の甲子園にも出場し、4強まで進出する快挙を成し遂げたことです。全国放送の中、韓国語の校歌が流れた時、同胞や関係者たちは歴史的な感慨を覚え、ともに喜びあいました。
三つ目は、民団大阪本部が大阪市の認可を受け、「中崎はな保育園」を設立したことです。保育園が不足している中、行政の支援を得て、民団が地域社会の要請に寄与する形で設立されました。これは、長い歴史の中で民団が地域社会で信頼されている証しであります。
四つ目は、長年の念願であった長崎韓国人原爆犠牲者慰霊碑が長崎市の平和公園に建立されたことです。韓日の多くの方々の支援によるおかげであります。11月に除幕式及び慰霊祭が行われ、犠牲者の冥福と悲惨な戦争が二度と起こらないよう共に祈りました。
五つ目は、韓流ブームが日本だけでなく世界を席捲していることです。国連でのBTSのスピーチと歌と踊り、その活躍はめざましいものがあります。またネットフリックスでの韓流ドラマの世界的人気、韓国料理、食品、化粧品などは、ブームをこえてすでにすっかり定着していると言っても過言でありません。私たちにとって誇らしいことです。
団員・同胞の皆様、昨年、民団は創団75周年を迎えました。コロナ下のなか、若い人たちが準備し、「絆を未来へ」をテーマに掲げて、記念式典及び記念映像をユーチューブで上映しました。
民団の歴史伝えよう
在日の歴史、民団の歴史を伝えるとともに、地方本部・支部の活動、次世代からのメッセージを紹介しました。民団は自由民主主義を守り、生活者団体、民族団体としてこれからも多様なニーズに応じて発展していくことを確認しました。この75年間、本国の発展と韓日友好への寄与、在日の差別解消と権益確保のため、民団が果してきた功績は大きいものがあります。自信をもって民団が歩んだ歴史を語り伝えましょう。
他方で、中央大会をめぐり混乱が生じたことは残念でなりません。4月以降、新しい体制がスタートし、すでに9カ月になります。コロナに負けず、中央をはじめ、地方も支部も傘下団体も団員同胞のための諸事業を積極的に進めています。一部の虚偽の情報に左右されることなく、小異を捨て大同団結し、民団の本来の事業を進めていくことが肝要です。激変する時代の中、在日同胞社会の代表団体として、また韓日の懸け橋として、民団の存在意義と役割はより高まっています。
全国の団員・同胞の皆様、民団は今年、3つの重点課業を果敢に進めていきます。ひとつは、《次世代育成》です。この2年間、コロナで中止を余儀なくされた「オリニジャンボリー」を開催し、全国の子どもたちに元気を与えたいと思います。各種オリニ育成事業、高校生・大学生対象の事業も推進します。
2つ目は、《組織の基盤強化》に注力します。コロナの影響で停滞した組織の基盤を強化するため過疎地域の家庭訪問と団員拡充、後継者育成を軸に活動を進めていきます。
3つ目は、《韓日関係の改善》です。韓日関係は私たちの死活問題です。一日も早く対話と信頼関係を回復させ、両国の関係が健全な状態に戻るよう、日韓親善協会と共に民間次元で尽力していきます。
大統領選挙で投票を
1998年の韓日共同宣言にあるように「過去の両国の関係を総括し、両国間の緊密な友好協力関係をより高い次元に発展させる」共通の決意を示す現代版共同宣言が必要だと考えます。また、イコールの関係で朝鮮通信使を推進した雨森芳洲の、「互いに欺かず、争わず、真実をもって交わる」誠信交隣の心が今、何よりも求められています。
ご承知のように、第20代韓国大統領選挙が3月9日に行われます。在外選挙の投票は2月23日から28日までです。韓日関係の改善、在日同胞の地位向上、ヘイト根絶や地方参政権の早期の付与など、私たち在日同胞の要望が反映されるよう、皆様の積極的な投票をお願いいたします。
本年が、コロナを克服し、すべての同胞の皆様にとりまして、幸多い年となりますよう祈念申し上げ、私の新年のご挨拶とします。
(2022.01.01 民団新聞)