掲載日 : [2023-02-01] 照会数 : 1651
第24回在日同胞文学賞 金順姫さん、念願の入賞
[ 佳作を受賞した金順姫さん ]
【宮城】20代後半で韓国から日本に留学し、幾多の挫折と回り道を経て「英語中・高教諭免許」を取得した金順姫さんの半生の記録「ハングリーであれ、愚かであり続けろ!」が、在外同胞財団「第24回在外同胞文学賞」の一般散文部門「佳作」に選ばれた。宮城県出身者の入賞は初めて。
金さんは平凡な人生を拒否し1999年に日本の土を踏む。「30代の人生は私が開拓する」と、38歳で夜間大学英文学科で学ぶ。卒業後は大学院に進み、「韓日間の歴史認識」を研究する一方、「英語中・高教諭免許」の取得をめざした。
大学院を終えた時は46歳になっていたが、さらに韓国の通信制大学に編入し、「韓国語教育課程」と「多文化専門家課程」も勉強した。現在は宮城文化センタ‐でハングル講座を担当している。
この間、挑戦しては失敗の繰り返しだった。来日早々、日本語の能力不足からアルバイト先をクビに。東日本大震災にも見舞われた。大学院では「韓日比較研究」に方向転換せざるをえなかった。
金さんは作品のなかで「時には馬鹿みたいに無知で勇敢に挑戦してきた。挑戦は失敗を通じて再成長し、準備しなければ機会が来てもつかまえられない」と記し、さらなるチャレンジを思い描いている。
「在外同胞文学賞」はハングルでつづった文学作品の創作活動を奨励する趣旨で創設された。成人は詩、短編小説、一般散文(随筆、体験手記)部門に応募できる。
(2023.2.1民団新聞)