民団三重県地方本部は団長名で談話文「三重県における外国籍住民の県職員採用方針の見直しについて」を発表し、三重県が外国籍住民の県職員採用について国籍要件の復活を検討していることに対し、深い懸念を表明した。
談話文では「国籍要件の復活が検討されていることは、個々の職務内容や守秘義務の遵守状況を十分に考慮しない措置であり、結果として外国人住民に対する不信や排除のメッセージを社会に与えかねない」と指摘。県民アンケートの実施にあたっては、事実に基づいた丁寧な説明を行い、感情的な不安や偏見が助長されることのないよう十分配慮することを強く求めた。
以下は談話文全文。
≪談話文≫
三重県における外国籍住民の県職員採用方針の見直しについて
在日本大韓民国民団は、三重県が外国籍住民の県職員採用について国籍要件の復活を検討しているとの報道に接し、深い懸念を表明いたします。
三重県は1999年度以降、国籍にかかわらず能力と適性に基づいた職員採用を進め、医療や専門分野を中心に外国籍の職員が県政に貢献してきました。外国籍の職員は専門性を発揮するのみならず、行政の現場に多様な視点をもたらし、県政における「内なる国際化」を進める重要な役割を担ってきました。今後もその力を活かし、地域社会との橋渡し役として貢献してもらいたいと考えます。
今回、秘匿性の高い情報の流出防止を理由として外国籍の職員全体を一律に対象とする国籍要件の復活が検討されていることは、個々の職務内容や守秘義務の遵守状況を十分に考慮しない措置であり、結果として外国人住民に対する不信や排除のメッセージを社会に与えかねません。
情報管理や安全保障上の課題は、国籍の有無によってではなく、職務ごとの情報アクセス管理、厳格な守秘義務の徹底、適切な監査体制の整備によって対応されるべきものです。これらは日本国籍を有する職員にも等しく求められる基本的な原則です。
外国籍住民はすでに地域社会の一員として、医療、福祉、教育など多くの分野で重要な役割を果たしています。行政の現場から外国籍住民を遠ざける方向性は、多文化共生社会の後退を招きかねず、将来世代にとっても望ましいものではありません。
在日本大韓民国民団は三重県に対し、県民アンケートの実施にあたっては、事実に基づいた丁寧な説明を行い、感情的な不安や偏見が助長されることのないよう十分配慮することを強く求めます。そして、外国籍の職員一人ひとりの実績と貢献を正当に評価し、国籍にかかわらず安心して能力を発揮できる開かれた行政運営を堅持されるよう要望いたします。
私たちは今後も、日本社会の一員として地域と共に歩み、相互理解を深め、「内なる国際化」と多文化共生の実現に向けて尽力してまいります。
2025年12月26日
在日本大韓民国民団三重県地方本部
団長 洪光子